★相続税は高くない! 下手な節税より”大切な人”を守る方が先です | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。

★相続税は高くない! ”敵”の正体を知って対策すれば、憂いは消えます !!
http://yuigonsouzoku.net/inheritance-tax-is-not-high/




このところずっと「相続税」のことを書いています。
相続税に絡む用語、正味の遺産額とか課税遺産総額とか・・・・、
相続税の計算法も書きましたし、相続税額を計算できるアプリのことまで紹介しました。
伝えたいことはただ一つです。



「相続税は高くない!」
これだけのことです。
相続対策を仕事とする私がなぜ、自分の足元を掘るようなことを言うのか。
わかってほしいのです。
相続税は理不尽なほど高いものではない、
生活を脅かすほどのひどい税(酷税)でもないことを。
それはこの税の”仕組み”のあちこちからも理解できます。



ところが、こと「相続」と言うとただそれだけで
「1円だって相続税を払いたくない」
だから「ありとあらゆることをしてでも節税しなければ」
という人が出てきます。
そういう人がいても構いませんが、どうも本末転倒しているように感じられてならないんです。





本末転倒とはこういうことです。
「相続」で大切なのは何ですか?
いろいろあるでしょうが、1つは世代の継承を無理なく確実に行うこと。
それと同じくらい目的として大きいのは、私は「大切な人を守る」ことであると思っているんです。
夫婦の場合、一緒に長い間生きてきて、でも自分が先に逝かなければならないようだ、
それが「相続」です。
私の死後もこの人の生は続く。
最後まで人生を全うできるように私は何をすべきか。
それが相続の”もうひとつの原点”だと思います。



それなのにお金のことに心を奪われると、大切な人の安全を顧みないで、
節税対策などと言うおかしなことをしたくなる。
節税策って、実はお金がかかるんですよ。
土地を買ってアパートを建てて・・・・
子や孫に生前贈与をして、
納税資金捻出のために高額の生命保険に入って・・・・。
無尽蔵にお金のある資産家なら、どうぞおやりください。
いくぶん効果はあります。



しかし「今度、相続税の基礎控除額が4割も削減されたからうちも相続税を払わなければいけないかもしれない」程度の方が節税対策するのはやめた方がいいです。
そんなことより、パートナーにしっかり老後のためのお金を遺す方がよほど合理的。



相続税を払うか払わないか、そのボーダー(境界)にいる人の相続税は本当にしれたものなんです。
「対策しない」のが最良の対策、と言える程度の金額。
相続税を払えるくらいの「リッチ」になったと、私なら胸を張って払っちゃいますね。



何はともあれ、一度は相続税がいかほどになるのか、ご自分で試算してみてください。
対策はそれからです。
ついでに相続税の知識も少し学んでいただけたら。
きっと漠然と頭で考えていた「相続税像」が変わるのではないかと思います。
けっこうよくできています。
すべて承知した上で行う対策なら、確実に良い結果に結び付きます。