★上村愛子、「金」よりエライ「4位」!! 君の笑顔に感動した | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。


モーグル、上村愛子の“冬”が終わった。


ソチ冬季五輪女子モーグル決勝。
1番手で上村愛子は滑った。
速い速い、エアも決めた!
高得点が予想された。
しかし……


競技のあと上村は笑顔だった。
「やってきたことがすべて出し切れたから……」
すがすがしい気分と彼女はいう。
僕はなんだか、こみ上げてきた。


でも、泣いたら失礼なのだと思う。


1998年(長野、18歳) 7位入賞
2002年(ソルトレイク、22歳) 6位入賞
2006年(トリノ、26歳) 5位入賞
2010年(バンクーバー、30歳) 4位入賞
そして
2014年(ソチ、34歳) 4位入賞


トリノではエアの大技、コークスクリューをやってのけた。
それでも5位。
以後、苦手意識のあったターン技術を磨いた。
2008年にはFISワールドカップで年間総合優勝を遂げる。
「女王」の座を獲得し一時代を築いた>
上村愛子は一流選手である。


縁がないのはオリンピックだけ。
2010年、バンクーバーで4位に終わった時、
「なんで、こんなに一段一段なんだろう……」
と無念の表情を見せた。


     <写真はモーグル決勝を滑る上村愛子 by 共同通信>

そしてソチ。
気持ちはわかるが34歳、最年長。
予選、準決勝もぎりぎりで通過。
準決勝も6位、ラスト順位での突破だ。


『ピークはとうに過ぎているんだろうな』


そう思うと「メダル、メダルと騒ぐな!」と
メディアにいいたくなった。


決勝。
快速だったと思う。
30秒台で滑り降りたのは上村しかいない。
2つのエアもほぼ完ぺきだった!
最後に滑ったハナ・カーニーは脚が雪につかずにバラバラ。
上村が3位に滑り込めたかな、と思ったが……。


採点競技の悲劇というべきだろうか。
滑降順位の不利は否めなかった。
『上村でなくても神様を恨むよな』
順番なら今度は「3位」だろうに……。


しかし、こうも言える。
またも4位だったからこそ「上村愛子」の名を僕は忘れない!!
努力し続けた彼女は誰よりも美しい。


無念の4位ではない。
輝かしい4位だったと。


(ジャーナリスト 石川秀樹)


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