★人間的、あまりに人間的なヒヒの生き様!  人間はそれより上等になれたのか | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。


昨夜、NHKの「ダーウィンが来た! 生きもの新伝説」を観た。
アフリカ、ケニアの高原に棲むヒヒのお話。
サルは群れをつくる、それは生きる術なのだろう。


ここのヒヒ(アヌビスヒヒ)もご多聞に漏れず100匹の群れだ。
群れがあればボスがいる(と、固定観念が働く)。
確かにボスはいるのだが、映像を見ると常に安泰ということでもないらしい。


常に“挑戦者”はいる。
ボスは戦いに明け暮れる。
勝てば多くのメスが得られるから(これも固定観念)。



普通に考えると、サル山のボスにならなければおもしろくない。
ボス以外のオスは“その他大勢”だから。
が、カメラは1匹1匹を追ったのだろう。


その他大勢どころか、そこには“個性”があった。
あるヒヒは力弱い、ボスと戦えば負ける。
しかし、愛情深い性格らしく、あるメスのヒヒを愛した。


せっせと毛づくろいをし、優しさを前面に出し気を引く。
特定の仲となっていたある日、ボスに“彼女”を奪われる。
戦うが、あっという間に追い散らされた。


なす術ない、呆然と岩陰にたたずんでいると、
1匹の若いヒヒがボスを挑発し始める。
ボスが怒って追う、その間に“彼”は“彼女”を取り戻す。


この行為は、若いヒヒの男気に見える。無償の行為……
が、そればかりではないらしい。
挑戦すること、仲間を助ければ絆も生まれる。
つまり“将来”への投資。


ここへ来て、僕はうなった。
力でなく、愛情でメスの心を得るやつがいる。
男気と戦う気概で名前を売るものもいる。
人間と同じじゃないか!


いや違う!
人間がサルと同じなのだ。
21世紀になった今も!!
人間は“動物”そのものである。


メスと見れば囲いたがる。
ほしいモノがあれば奪う。
ほしいモノのためなら戦う。
物欲、所有欲、闘争欲、こんな本能は100万年たっても変わらないらしい。


ヒヒに正義の観念があるかどうかはわからない。
しかし弱い者には戦略があり、若手には将来を見据える計算がある。
強い者が勝つのが動物の世界だが、強くなくても生き残れる。


自然の掟(おきて)をヒヒはある意味、克服している。
ヒヒは人間にはならないが、人間もまたこうやって種を保存してきたのだろう。
良い面も悪い面も引き継いで来ている。


人間が人間である限り戦争はなくならないな、と絶望的になる。
原発もここまで欲が絡んでいると廃絶には時間が掛かりそう。
いや人間は、後世に迷惑を掛けても滅びるまでバカをし続けるのではないか。


暗いシナリオがある一方、“人間性”に希望をつなぐ見方もある。
サルにはない理性、物事を緻密に計算する力、
我欲を抑え正義を実現する潔さ……。


“自然のまま”に任せれば人間は遠からず滅びるだろう。
小説や映画が予見する通り、人間自身が創りだしたモノによって。
今のところ人間はそっちの方向にひた走っているように見える。


誰か気づかないだろうか。
“救世主”を求めるのも人間の本性である。
その救世主を虐殺するのもまた……。


新年早々、不吉な予言になってしまった。
「ダーウィンが来た!」はさまざまな生きものの生き方を紹介する。
どの生きものの生存原理も“合理的”だ。


人間の脳機能だけが突出している。
脳がつくりだす「欲望」だけが巨大化している。
なんとかならないか、としか言えないところが悲しい。


<写真はNHK「ダーウィンが来た!」公式ホームページから>



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【筆者から】
長いブログをお読みいただいて恐縮です。
いつも長いですね、申し訳ない。
でも、一気に読んでいただけるように努力しています。
成果が出ているとよいのですが。

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