★カネに転んだ猪瀬知事、もっとよい才覚があったのに…… | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。



「猪瀬都知事辞任へ」
朝刊各紙に黒ベタ大見出しが躍っている。
それはまあ当然として、きょう言いたいのは以下の3点。

① 政治家追及、弱みを握った時のマスコミの激しさ
② わずかなカネに転ぶ政治の貧困
そして、③ネット型選挙資金獲得の可能性について―だ。


①についてはいつも書いているので簡略にしたい。
雪崩を打ってひとつ事に集中するのは、メディアの正義感が安っぽいからだ。
決めつけ報道が横行する。
他と異なる視点はまず見当たらない。
必要なのは正義感に満ちた断罪ではなく「事実の追究だ」
と私は言いたいのだが、日本の場合、罪はマスコミがはじめから決めつけているようである。


このように書くと、猪瀬都知事擁護に聞こえそうなので①についてはこれ以上触れない。
②についてはまさにきょう書くべきテーマだ。


「5000万円」は私ども庶民にとってはたいそうな額だが、大金持ちにしてみたらささいな金額だろう。
その程度のカネに“政治家”がコロっと転ぶ。
政治家だけではない、東電の鼻薬にマスメディア各社がこぞって精神(こころ)を売って“安全神話”づくりに加担した。


東電のカネ? 
とんでもない!
われわれ利用者が払った電気料金である。
東電は管理者にすぎない。
その管理者が「殿様」然として今もふんぞり返っている。



話がそれた。
人はわずかなカネに転ぶという話である。
政治家に持ち込まれるカネで、意図のないカネなんてない!
ということを私たちは肝に銘じておこう。
法律にのっとった企業献金といえども「いざとなったときに(政治家に)働いてもらいたいため」であって、善なる意図があるわけではない。
だからいまだ東電が無傷のまま居残っているわけである。


では猪瀬氏は何をすればよかったのか。
私は「猪瀬直樹」はネットで政治資金を集められる数少ない政治家の1人だと思っている。
作家としての「猪瀬」は鋭い書き手だった。
才能があるあまり行政に踏み込み、ついには政治の舞台に飛び込んだ。
『私の手腕で』と思ったであろう。


行政、政治がわかってくるに連れ、人脈もそちら方面に広がった。
筋のよいのも悪いのもいる、そんな世界だ。
私は地方に住むものとして、病院経営する徳洲会を“悪者”とは思っていない。
既存の医療業界を揺るがす挑戦者、革命児だとも思っていない。
ただ「等身大に」みればいいのである。
その地域の医療に何を貢献しているかを見ればいい。


ただし、政治家としての徳田一家のやり方はどうなのか。
猪瀬都知事にはわれわれ素人以上に見えるところがあったはずだ。
「5000万円」にきな臭さを感じられなかったとしたらバカ者である。
頭が切れる「猪瀬」は百も承知で“もらった”のではないか。
つまらぬカネで政治家生命を落としたものだ。


では「猪瀬」は何をすべきだったのか。
ソーシャルメディアを使い、ブログを使い自分の才覚を訴えていくべきだった。
「猪瀬直樹」はすでに有名人であった。
有料のメルマガでも、興味ある人は登録したと思う。
月額100円でも1万人の読者で100万円。
職種、テーマが違い読者層も異なるので堀江貴文さん(ほりえもん)と比較すべきではないが、双璧になった可能性はある。


その上で政策を語り、心を込めて少額の献金を読者にお願いすれば、かなりの額を集められたはずだ。
金額より何より、政策への賛同をガッチリつかむことができる。
それこそが政治家猪瀬の最大の“武器”ではないか。


よりましな政治家と思っていただけに、カネでのつまづきが残念でならない。





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【筆者から】
このブログの元になっているのはFacebookへの書き込みです。
主にFacebookページ「ジャーナリスト 石川秀樹」に投稿しています。
ミーツ出版(株)という小さな出版社の社長をしています。61歳で行政書士の資格を取り開業しました。さらにこの数年は「ソーシャルメディアを愛する者」としてFacebookで熱く語り続けています。ブログは私の発言のごく一部です。ぜひFacebookページもご覧ください。コメントをいただけたら、こんなにうれしいことはありません。


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