★東京にオリンピックは来なくていい! | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。

東京、マドリードが激戦だそうだ。
20年五輪の開催都市があす早朝に決まるそうで、メディアは大騒ぎだ。


はっきり言って、「東京」は落選すべきだと思う。


ここにきて“国賊”のような発言でまことに申し訳ない。
僕も1964年の東京五輪をワクワクしながら見た覚えがある。
中学3年だったが、明るく元気だった、日本という国は。
だから自慢だったし、晴れがましかった。


しかし今の日本に五輪を開催する資格はあるのだろうか。
五輪の主役は「都市」であって「国」ではない、との声はあるだろう。
それはその通りだが「東京」という異物、奇怪な都市の在り方は今の日本そのものだ。
五輪を大阪でやろう、名古屋で、福岡でやろうというなら僕は止めない。
しかし「東京」には資格がない。


「福島」の対極にあるからだ。
「東京」が招致において「マドリード」に猛追されている理由は
福島第一原発の汚染水が海に流れ込んでいることだとされる。
そのことを招致活動の中心人物たる竹田恒和理事長はこのように言う。
「福島とは離れている。東京は安全だ」


この発言を聞いて、僕は〈東京に資格はない〉と確信したのだ。
この発想こそが、日本という国がとってきた原発推進政策そのものではないか。
何があっても政治、経済、文化その他ありとあらゆる活動の中心である東京に一片の危険も及ばないように、迷惑施設だが生きるため有用な施設は過疎地に。
誰もそんなことは言ってこなかったが、
日本という国、つまり私たちはそのように思い、
あるいは暗黙の裡(うち)にそれを是認して生きてきた。


予想した通り、大事故は辺境の地で起こり東京は“無事”だった。
みなが反省した。一瞬は。
そして今、忘れ果てている。
被災地のことも、原発のことも。


もし東京でオリンピックが開かれれば、
それは華麗で、躍動し、かつ美しさをもったものになるだろう。
そこに価値がないとは言わない。
しかしそれは断じて“復興のシンボルたる祭典”に値しない。
無視し忘れ続け、悔いも残さない、恥ずべき現実主義の象徴たるお祭り騒ぎにすぎない。
僕はそんなイベントを誇りに思わない。


思い出してほしい。
原発汚染水の海への垂れ流しが五輪招致に障害、といわれたときの違和感を。
『なぜそんなことが障害になるの?』と思わなかったか。
しかし、「障害になる」というのが世界の常識だ。
日本人こそが非常識で、鈍感で、おろかな国民なのだ。


この感覚、日本人の半分は理解できていると思う。
未来永劫わからないのは国会のセンセイ方とそれを取り巻く官僚群、
そしてそれをさらに取り囲むメディアの記者、編集幹部の面々だ。


国会、官僚組織を福島に!
東電も福島に本社移転。
メディアの主要部門も福島に移転させよ!


五輪招致のことから“つまらない妄言”をつい吐いてしまったが、
「つまらなくしている」のは我々日本国民の超現実主義で忘れっぽい性格だ。
真摯に向き合ってきていれば、国会の福島移転は笑い話ではなく、
責任をどうとるか、という発想の中で「議論するに値する提案」とみなされただろう。


東京にオリンピックは来なくていい。
国がしなければならないことは他にある。






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【筆者から】
このブログの元になっているのはFacebookへの書き込みです。
主にFacebookページ「ジャーナリスト 石川秀樹」に投稿しています。
ミーツ出版(株)という小さな出版社の社長をしています。61歳で行政書士の資格を取り開業しました。さらにこの数年は「ソーシャルメディアを愛する者」としてFacebookで熱く語り続けています。ブログは私の発言のごく一部です。ぜひFacebookページもご覧ください。コメントをいただけたら、こんなにうれしいことはありません。


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