★ネット参院選、フォロワー数を求める不見識!! | ジャーナリスト 石川秀樹

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。


けさの日経新聞2面に、おもしろい記事が掲載されていた。
『「いいね」80万の大票田』というのである。


夏の参院選でネット選挙が解禁される。
それでツイッターやFacebookでフォロワーを“大量に”もつ人に政党が注目しているというのだ。
見出しは、音楽事務所所属の歌手が政党幹部を訪れ、同僚歌手(浜崎あゆみ)のファン数を引き合いに出し自分を売り込んだ、というところから採っている。


記事中にその歌手の話として
「浜崎さんに『いいね』を押してもらえば、80万人に発信できます」
とあったので、てっきりFacebookの話と思ったのだが、違った。
浜崎さんのFacebook公式ページはファン数24万人。
個人ページは、検索するといくつも出てきて真贋不明(どれも友達数は少ない)。
それで『ツイッターかも』とあらためて検索し、ツイッターなのだとわかった。


つまり歌手はFacebookとツイッターの区別もついていない。
面談した政党幹部も意味が分からずにすごいと思ったのだろう。
そして記者もまた、話をうのみにしてこの記事を書いた……?


記事ではこのほか、
▽ツイッターで60万人のフォロワーをもつGACKTがある男性を政党に候補者として推薦した、
▽女優の大場久美子が愛犬家団体名簿を携えた犬の訓練士を幹部に引き合わせた、
▽ネット対策と称し数百万円で各陣営に戦略を伝授する業者たち-
などの話が載っている。


80万人は確かにすごい数だ。
しかし「数は力」とならないのがツイッター、Facebookの世界であり、
当事者の誰も実態がわからないまま浮き足立っている。


結論を先に書いておく。
筋の悪い話だ。
フォロワー80万人の浜崎あゆみが政治や選挙のこと、応援ツイートするとは思えないし、応援したとしてもファンの多くは引くだろう。
加えて、ツイッターは「流れ去る」メディア、
読んでもらえるかどうかは「運」にかかっている。
Facebookはそもそも、友達やファンに投稿が表示されないし(平均到達率は16%!)、
届いたとしても“売り込み”は共感を呼ばない。

ジャーナリスト 石川秀樹


記事を読んだ当初、Facebookの話だと勘違いしたのでピント外れの写真を用意してしまった。
いずれも私の事例で、21万人の数字はツイッターのフォロワー数、
683人は「ジャーナリスト石川秀樹」のFacebookページのファン数である。
数では圧倒的にツイッターの勝ちだが、影響力は断然Facebookがまさっている、
ということをいいたくて比較してみた。
もう少し説明しておくと、ファン数は600人に過ぎないが、
よい投稿の折には10倍のクチコミが発生する。
「共感」が人づてに深く伝わっていくのだ。
よって私は、発言の主軸を今はFacebookに置いている。


きょうの日経の記事は、数は力、ばらまきがソーシャルメディアで通用すると思って書いている点で、初手からズッコケている。
数を当て込んでネット選挙に臨んだ者は、ほぼ全員失敗するだろう。
一方、ごく少数ながら参院比例で思いがけない“ネット型候補”が当選するかもしれない。


その人の条件は
・主張が明確で首尾一貫している
・主張が時代とかみ合っている
・主張や行動から、その人の誠実さが伝わる
・周りに熱烈な支持者がいる
・意見の違う者を排除しない心のゆとりがある
加えていえば、
・その人から「欲」がにおってこない。


こういう人物が“発見”され、その人をネットとリアルで強く応援し行動する人が何人か現れればムーブメントが起きるかもしれない。
寵児(ちょうじ)を生み出す力、ソーシャルメディアには備わっている。


原動力は無論、カネではない。
意図的に短時日に起こせるものでもない。
毎日きちんきちんと積み重ねてきたものが、あるきっかけから世に知られる。
それが爆発的に広がることがある。
勝ちたい、出し抜きたい我利我利亡者には到底できない芸当である。


ネット選挙というと付け焼刃の知識で現象をとらえようとする、
そんなアホくさい報道をいつまで続ける気か。
もはや普通の人のネットリテラシーの方が、
政治ゲームにうつつを抜かし勉強を怠ってきた政治家や、
マスメディアの人間よりはるか先を進んでいる。



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【筆者から】
このブログの元になっているのはFacebookへの書き込みです。
主にFacebookページ「ジャーナリスト 石川秀樹」に投稿しています。
ミーツ出版(株)という小さな出版社の社長をしています。61歳で行政書士の資格を取り開業しました。さらにこの数年は「ソーシャルメディアを愛する者」としてFacebookで熱く語り続けています。ブログは私の発言のごく一部です。ぜひFacebookページもご覧ください。コメントをいただけたら、こんなにうれしいことはありません。


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