時々、Facebookの基本的なルールである「実名」「プロフィール写真を載せる」を守っていない人を見かける。
ルールを知らないのは論外だが、知っていてあえて写真を載せない人も少なくない。
「職場の人や取引先にFacebookをやっていることを知られたくない」
「個人名や写真を出すと怖い目に遭うかもしれない」
「連絡用に使っているだけだから」……。
事情はわからないでもないが、ソーシャルメディアを使う以上、顔を出さないことはあなたの印象を悪くし、やはり『損だ』と思う。
そういう人のために、Facebookはそれなりに対策を用意している。
顔出しリスクを99%減じる“専守防衛策”を紹介しよう。
◎真っ先に「ブロック」が浮かぶが、お勧めしない
苦手な人をあらかじめブロック。
確かに一理ある。
ブロックすれば、相手からはあなたの存在はほぼ見えない(グループ、アプリは例外)。
「あの人がFacebookをやっているので私がFacebookを使えない」という事情があるなら、まあ仕方ない。
でもブロック多用は“神経戦”になりがちで精神上もあまりよろしくない。
あくまで非常手段だ。
◎あなたの投稿を特定の人にだけ見せる
顔出ししたくないというのは多くの場合は、リスク回避か、気兼ねする関係先に見られたくない、という理由なのだろう。
ならばページ右上の メニューから「プライバシー設定」を選択しよう。
「私のコンテンツを見ることができる人」の先頭に「今後の投稿の共有範囲」という項目がある。右隅の「編集」をクリック。「共有範囲」として、「公開・友達・知りあい以外の友達・自分のみ・カスタム」を選択できる。
「カスタム」がけっこうスグレモノだ。
「カスタムプライバシー設定」のメニューから「対象者またはリスト」を選択。
選択すると空欄が出てくるので、つながりたい友達名を入れる。あらかじめ作ってあれば「リスト」を選ぶことができる。
◎ゼッタイに見られたくない人を排除
念のためなのか、Facebookは同じ画面の下欄に「シェアしない相手」を用意している。
これはいわば忌避リストだと思えばいい。
見せたくない人、またはリストを選択できる。
他の人には見せても構わないが、『この人にだけはイヤ』という場合に使える。
これであなたの投稿は、特定の人しか見られなくなる。
めでたし!めでたし!といいたいところだが、専守防衛にはまだ足りない。
“イヤな人”に自分のタイムラインに投稿されたら目も当てられない。そこで――
◎他人がタイムラインに投稿することを禁じる
右上の メニューから「アカウント設定」でも「プライバシー設定」でもいい、クリックして左側「タイムラインとタグ付け」を選択。
先頭行に「自分のタイムラインにコンテンツを追加できるユーザー」がある。
ここで「あなたのタイムラインに投稿できる人」を設定できる。
「編集」メニューから「自分のみ」を選ぶと、タイムラインの投稿欄が消える。
◎メッセージすら(誰からも)受け取りたくない
投稿を禁じるなら「メッセージ」も受け取りたくないだって?
残念ながら、メッセージ欄を非表示にする設定は、現在は存在しない。
◎プロフィール写真を特定の人にのみ見せる
そうか、あなたは自分のプロフィール写真を特定の人にしか見せたくないんだね。
しかしこれはできない。
誰かと友達になったとき、友達のタイムラインの「友達」欄にはあなたのプロフィール写真は自動的にアップされてしまう。
友達が欄を公開設定していれば、あなたの写真は誰からでも見られてしまう。
自分のプロフィール写真の「公開を制限する設定」は見つからなかった。
投稿はいくらでも自主管理が効くが、名前とプロフ写真を隠すというのはFacebookの想定外なのだろう。
どこの誰だかわからない投稿は無責任であり『あってはならない』という発想なのだろう。
アメリカ人には理解しがたい発想なんだろうね。
“自分”を消してしまうというのはアイデンティティの喪失であり、「生きている意味は何?」といいたいのだろう。
▼シェアとタグ付け対策
なるほどなぁ、それでシェアとタグがある意味が分かったよ。
日本人にとっては「意味不明」「大きなお世話」と感じられることが多いこの2つの機能。
やはり日米の価値観(自分が立っている位置)には大きな隔たりがあるようだ。
シェアとタグ付けに踏み込むと話が極端にややこしくなる。
なので、ザッとの説明にとどめようと思う。
「シェア」はあなたの投稿を誰かが自分のタイムラインなどに再表示することだ。
例えばあなたは、投稿の見える範囲を「友達」に限定している。
だからあなたの投稿をシェアできるのは友達だけだ。
でもシェアした友達Aさんは、投稿の表示範囲を公開にしている。
するとどうなる?
Aさんがシェアしたのだから、投稿は(実際にはあなたが投稿したコンテンツは)Aさんの設定に従うことになる。
だから記事はAさんの友達のニュースフィードに表示され、あなたと友達になっていないBさんもあなたの投稿を見られることになる。
一方、タグ付けについて。
タグは、誰かが記事や写真に「あなた」という「タグ」を埋め込むことをいう。
タグを付けられるとどうなるか。
通常、その記事や写真はあなたのタイムラインに表示される。
その上、あなたの友達・フォロワーのニュースフィードにも表示される。
しかしタグについてはアメリカでも「プライバシー侵害だ」という騒ぎがあったために、かなりタグ付けされた側がコントロールできるようになり、実害が出にくくなった。
あなたのタイムラインに表示しない設定や、表示・非表示を選べる設定もある。
またニュースフィードへの表示“流出”もコントロールできる。
◎Facebookの土壌、日米では大きく違っているようだ
ここまで書いてきて、どんなに専守防衛・アナグマ作戦を採用しても「あなたを苦手な人から完全に隠すこと」はできないことがわかった。プロフィール写真や名前の公開範囲を「自分のみ」に設定できない以上、100%の安全はありえない。
逆にいえば、名前(実名)、プロフィール写真(実在の人物)、シェアとタグ付けの機能についてはFacebookの根幹であり、譲る気はないということなのだろう。
その前提にあるのは「友達」への絶対的な信頼だ。
友達に悪事を働く者はいない、友達の信頼を失ったらおしまいだ、コミュニティの中で生きていけない。だから友達が、何をするに場合にも“最大の安全保証になる”といった感覚。
日本では、「友達は見込み客」「数のうち」よくいえば「一期一会」「来る者は拒まず、去る者は追わず」といった功利的、もしくは淡い関係が一般的だ。
やはり土壌が違う。
違う中で、「異質な文化」を利害や効率のためにやみくもに利用しようという人が多い。
危ういことだ。
してみると、顔出ししないのも何分(なんぶ)かの理があり、というべきか。
誰とでも(というか、相手をきちんと選んでいるのだが)つきあうには度胸もいるし、判断力も必要。
結局、論旨滅裂な解説になってしまったね。
Facebookは実名、顔出しが基本だが、「友達」という最も基本の人間関係のコンセンサスが取れていない日本では、リスク回避の顔出し拒否も仕方がないのかな。
でも、顔を出しても出さなくても「青い枠」で囲ったおかしな連中がFacebookの中にうろうろしているご時世だから、どなたさんもご用心、ご用心!!
<ここからは「著者ページ」と「著書」の紹介です>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こんな視点、はじめてだ!
「なぜ?」を徹底追究
ジャーナリストの視点で電本3部作
※著者ページ
http://denhonkan.jp/meikan/detail.html?ab_id=7
※著書
『秀樹さんが教える まだまだ奥が深い Facebookの教科書』



Facebookの基本のキ」。
「入門書」ですがかなり濃い内容です。
いいね!の原理、エッジランクやクチコミ発生機能について 核心を伝えます。
Vol.2
Facebookのビジネス活用術。
個人やお店、小さな会社は大企業や有名人を見習ってはい けません。
バラマキマーケティングより友達を大切に。
Vol.3
Facebookのスーパースターたちを紹介しています。
「誰か」って?
まあ、立ち読みでご確認ください。
インフルエンサーの投稿術を詳しく伝えます。