高校の来年の同窓会総会の当番幹事が先輩から順番に回ってきて、高校時代のクラスメイトと28年振りに会うことになった。
お互い容姿はかなり変わっていたけど、話をするうちに気分だけは高校時代にタイムスリップした。
彼の突然の告白でとても驚いたことがあった。
何とその彼、30歳の時に悪性リンパ腫に罹患したとのこと。
クラスメイトに俺以外に血液疾患患者がいたなんて、どちらも10万人に2、3人の珍しい病気の筈なのに、、、。
自分も白血病なんだと知ると、彼も同じようにとても驚いていた。
彼はリンパ腫で10年闘病したとのこと。
有難いことに彼も今は元気だけど、ここまでくるには大変な苦労があったのだ。
病気になってしまった時に感じた気持ちは彼も俺と同じだった。
病気になった時からずっと、病気になる前の自分に戻りたいとそればかり思っていた。
これは何かの間違いなんだと、病気の自分を受け入れまでには時間がかかった。
でもどんなに願っても、「覆水盆に返らず」、起きてしまったことは無かったことには出来ないのだ。
出来ないことを望んでいても幸せにはなれない、それより限りある人生、もっともっとポジティブに楽しまなければ勿体ない!
同じような境遇の彼と再会して話が出来たことで、改めてそんな思いが強くなった気がする。
彼もきっと同じ気持ちでいるのだと思う。
満開を迎えた地元の一本桜は、そんな密かな春の決意を後押ししてくれているように見えた。