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源為義
怒鳴られた八郎は平然としていました。
為義「お前!何をしたか、わかっておるのか!?」
八郎「悪いことをしたものを退治しました。」
八郎くんは牛車を倒したんだよね
為義「馬鹿者!お前が倒した牛車に乗られていたのは関白の藤原忠通(ふじわらのただみち)様ぞ!!」
八郎「誰であろうと人に泥水をかけて謝りもしないものは許せませぬ!!」
そこへ為義の四男の頼賢(よりかた)が慌ててやってきました。
頼賢「父上、忠実(ただざね)様がお呼びにごさいます。すぐに居館に参れとの使いが来られました。」
為義「やはりか…すぐ行く。頼賢、八郎を蔵に閉じ込めておけ!しっかりと鍵をかけるのだぞ!」
為義は出かけて行きました。
八郎は蔵に閉じ込められ、固く鍵をかけられたのです。
為義は藤原忠実の居館に入りました。
忠実さんは関白、藤原忠通さんのお父さんなんだ。
為義は平伏しました。
為義「我が子、八郎が忠実様の御子、忠通様の牛車に乱暴をしてしまい…誠に…誠に申し訳ございませぬ!」
忠実「…よい、為義。麿はよくやってくれたと八郎とやらを褒めたい気分なのだ。」
為義「…褒めるとは…」
忠実「忠通は父である麿の言うことを聞かず、罰が当たったのだ。」
為義「されど…八郎は今、我が居館の蔵に閉じ込めておりまする。いかなる罰も与えねば…」
忠実「よい、忠通は誰がやったか、わかっておらぬ。為義、これからも麿にしっかり仕えよ。」
為義はただただ平伏しました。
この時期、藤原摂関家は忠実と忠通が不仲だったのです。
藤原忠通
夜になり、八郎はまだ蔵の中にいました。
そこへ…
「八郎、八郎」
八郎を呼ぶ声が蔵の外から聞こえてきました。
八郎「その声は…百合(ゆり)!」
百合「そうよ。百合よ。」
八郎「なぜここへ?」
百合「八郎のお母様が入れてくれたの。」
八郎「母上が…」
百合「今日はありがとう。危険なのに、私のために…」
八郎「いや、あんな悪いやつは許せなかったから…」
百合「私とお父はしばらく京を離れることにしたわ。」
八郎「京を⁉︎なぜ?」
百合「八郎が退治した人らが私や八郎を探してるようなの。八郎のお母様が教えてくれて、京を離れた方がいいって…」
八郎「そうか…百合、また会える?」
百合「会えるわ。きっと。」
そして、百合は父と京を離れました。八郎とは後年、意外なところで再会することになるのです…。
つづく…
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