猛将親父 〜第162話 最終回 毛利を守る者〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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目次




天下を競望せず…

わしは吉川元春(きっかわもとはる)の三男、広家(ひろいえ)です。



「やっと会えたな、吉川元春」

豊前小倉城(ぶぜんこくらじょう)で病で伏せていた元春のところに豊臣秀吉(とよとみひでよし)が現れた。


コアラ元春さんは小倉城を攻略した後、病で倒れたんだよ

元春と一緒にいた経言(つねのぶ、後の広家)は驚いたと同時に槍を構える元春と秀吉に息を呑んだ。




元春の目は明らかに戦場での戦う目であった。



秀吉の後ろには黒田官兵衛(くろだかんべえ)がいた。



元春も秀吉も官兵衛も…その場にいる誰ひとり言葉を発しない。



秀吉も仁王立ちで元春を睨みつけていた。



豊臣秀吉像



どれくらいの時が流れたのだろうか…ようやく官兵衛が声を発した。


官兵衛「殿下(秀吉のこと)、そろそろ大阪へ戻りましょう。」


秀吉「……うむ。」



秀吉は帰ろとしたが、再び元春の方を振り返り、


秀吉「猛将、吉川元春…さらばじゃ。」


元春「……」





秀吉が去った後、元春はまた吐血した。


「ゴホッゴホッ…」





経言「父上!!誰か医師を呼べ!」


元春「…ふっ、大事ない。」


経言「父上、横になってくだされ。」


経言は元春を抱えて床に伏せた。



元春「…秀吉、さすがに天下を取った男だ。」


経言「父上…張り付いた緊張感でした。」


元春「動けば…相討ちになったやもしれぬ。しかし、わしには父、毛利元就(もうりもとなり)の声が聞こえてきたのだ。"天下を競望せず…天下を望むな"と。」


毛利元就


経言「父上…もうお喋りにならないほうが…」


元春「よい、経言、吉川は毛利本家を支える家。どんな時も輝元(てるもと)様を支えるのだぞ。」




その後、医師や輝元がやってきた。



元春は輝元に九州攻めの毛利軍の戦略を言い残した後、


元春「…殿(輝元のこと)、毛利をお頼みいたします。」


輝元「うむ、任せておけ。」




天正14年(1586年)11月15日…吉川元春は豊前小倉城二の丸にて逝去した。享年57。


コアラアセアセ



吉川元春像



秀吉は元春が逝去したことを大阪に戻る途中で聞いた。


秀吉「そうか…官兵衛、あの時、そなたがいなければ、わしは元春に討ち取られいたやもしれぬ。」


官兵衛「…はい、あんな緊迫した状況、官兵衛も初めて味わいました。」


秀吉「元春…ついにわしに頭を下げずに逝きおったわ。」



この後、秀吉は大阪で太政大臣に就任した後、翌年には島津(しまづ)を降伏させ九州平定をなし、さらには関東の小田原北条氏を征伐し、天下統一を果たしたのだ。





元春が亡くなって14年後…関ヶ原




秀吉亡き後、天下を狙う徳川家康(とくがわいえやす)と石田三成(いしだみつなり)との激突が関ヶ原で行われたのだ。



わし、経言は広家と改名し、先に亡くなった兄、元長(もとなが)の後を継いで吉川家の当主となっていた。


叔父、小早川隆景(こばやかわたかかげ)も亡くなり、わしは毛利を支える身であった。



広家『ここで、わしが家康の本陣に突っ込めば毛利は天下を取れるかも……』


そんなことも思ったが、父、元春からの言葉、『毛利を支えよ、天下を望むな』がしっかりと頭にあり、


広家「吉川軍は動かさぬ!!」




結果、徳川家康の勝利となり、西軍だった毛利は防長の領地減封となった。



わしは瀬戸内海を見ながら、


「父上、毛利は守りましたぞ…」




空から父、元春の声が聞こえる気がした。


『槍を持て!!』




終わり



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