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天下を競望せず…
わしは吉川元春(きっかわもとはる)の三男、広家(ひろいえ)です。
元春の周りには白い雪景色が広がっていた。
目の前には子供たちが遊んでいた。
「行け!」
「わぁ〜」
「痛い!」
「やったなぁ〜」
子供たちは雪合戦をしていた。
1人の子が叫んでいた。
「次郎様!敵の姿が1人しか見えませぬ!」
次郎「敵は逃げたのか?よし攻めよ!」
元春は次郎と呼ばれる子を見て、
元春『あれは…わしの幼い頃ではないか…』
そこへ、
「兄上!覚悟!!」
元春の頭に雪玉が当たりました。
元春「痛いっ!そなたは…隆景(たかかげ)…いや徳寿(とくじゅ)」
徳寿「兄上!兄上!兄上…」
…
……元春は目が覚めた。
元春「……ん、ここは…」
元春の目には隆景が見えた。
小早川隆景
隆景「兄上…大事ごさらぬか?」
元春「ここは…どこだ?」
隆景「小倉城(こくらじょう)にございます。我らが落とした城にごさるぞ。」
元春「…そうか…今、夢を見ていた。幼い頃にそなたと雪合戦をしている夢であった。」
隆景「なんと、まぁ懐かしい。わしが兄上に一度勝ちましたな。」
元春「そうじゃの、わしの人生で唯一負けた戦であった。ところで戦はどうなっておる?」
隆景「心配いりませぬ。毛利(もうり)は順調に島津(しまづ)方の城を落としておりまする。今は安静にしてくだされ。」
元春さんは小倉城攻略の時に吐血したんだよ
元春には医師が付き、看病をしていた。
元春は、
『わしに残された時はわずかしかない…秀吉(ひでよし)、早く来い』
11月7日、隆景は吉川元長(きっかわもとなが)、経言(つねのぶ、後の広家)、黒田官兵衛(くろだかんべえ)と共に豊前宇留津城(ぶぜんうるづじょう)を攻めていた。
13日には元春の身体は調子が戻ってきており、その報せを聞いた隆景、元長、経言らは一安心していた。
宇留津城攻めが落ち着き、経言は元春の看病のため、小倉城に戻った。
14日の夜…
元春は突然、目が覚めた。
側にいた経言は驚き、
経言「父上、起きられましたか…」
元春「経言…槍を持て!!早く!」
経言は言われるがままに元春に槍を渡した。
元春は立ち上がり、槍を構えた。
元春「…来たな。」
そこに現れたのが…豊臣秀吉(とよとみひでよし)であった…
つづく…
※いよいよ次回、最終回となります。
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