猛将親父 〜第147話 秀吉と経言〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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目次




天下を競望せず…

わしは吉川元春(きっかわもとはる)の三男、広家(ひろいえ)です。



「待たせたの〜!わしが秀吉(ひでよし)じゃ!」


大阪城(おおさかじょう)の居間に通された吉川経言(きっかわつねのぶ、後の広家)と小早川元総(こばやかわもとふさ)の前に現れた泥だらけの男が羽柴秀吉(はしばひでよし)だった。





経言、元総とも唖然とした。


その時、


「両名、秀吉様ぞ!」


と一喝の声が響いた。



経言と元総は平伏した。


秀吉「三成、よいよい。こんな格好でびっくりしたのであろう。」



一喝した声の方を見ると、秀吉の若い家臣であった。それが石田三成(いしだみつなり)である。


石田三成


コアラ三成さんは秀吉さんの小姓から仕えていたんだよ



秀吉「そなたが元総か、毛利元就(もうりもとなり)公の末っ子だな。」


元総「はい、今は兄、隆景(たかかげ)の養子にございます。」


秀吉「ほぉ、男前じゃなの〜」



秀吉は元総をじっくりと見た。


その後、


秀吉「こちらが経言か」


経言「はい、吉川元長(きっかわもとなが)が弟にございます。」


秀吉「父は元春じゃな。」


経言「はい、父は隠居いたしました。」



秀吉は経言をジッと見て、


秀吉「こんな泥だらけですまぬの〜、今、城の庭に木を植えておったのじゃ。まぁ、2人ともゆるりとしてまいれ。三成、毛利からの大事な若武者じゃ。城を案内してやれ。」


三成「かしこまりました。」


秀吉「では、わしは木を植えてくるでの。」



経言は、


『これが毛利を窮地に追い込んだ男か…』と思った。




三成が大阪城の様々なところを案内してくれたが、まさに壮大豪華な城であった。





城を案内してくれた後、


三成「こちらの居間がおふたりの宿舎にございます。庭も自由に使ってよいとのこと…されど各々の役目を忘れずに…」



経言は三成の物言いに不快を感じていました。


コアラ三成さんは後に広家さんと因縁浅からぬ間なんだよ





その後、秀吉は元総を気に入ったようで、元総を連れ回していた。


経言は庭に出て武芸を磨く日々が続いた。




ある夜、経言は庭に出て夜空を眺めていた。





経言「父上も今宵の夜を見られてるかな…」



そこへ、


「元春は元気かの…」



経言が声の方を見ると、秀吉が立っていた。


経言は慌てて平伏した。



経言「これは秀吉様。」


秀吉「元春も夜空を眺めておるのか?」


経言「はい、毎晩見ておりまする。」


秀吉「元春…わしが恐れ慄いた武将は織田信長(おだのぶなが)様と元春だけじゃ。」


経言はそんな言葉が秀吉が出たことに驚いた。


秀吉「元春は隠居したが、今でも、わしと戦っておるの。」


経言「えっ…いや」


秀吉「よい。わしがそう感じるのじゃ。経言、元春にわしをよく見てこいと言われたであろう?」


経言「……」


秀吉はニコリと微笑み、


秀吉「そなたの目は元春に似ておる…毛利からの人質は元総で十分じゃ。そなたは安芸に戻ってよいぞ。」


経言「なんと…」


秀吉「安芸に戻ったら元春に申しておけ。わしは元春が怖いが、いつかはわしの前に平伏させてやる…とな。」



秀吉の言葉に嘘はないと経言は思った。




経言は大阪に1ヶ月ほどいたが、安芸に帰国したのだ…




つづく…




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