猛将親父 〜第141話 安芸へ帰る〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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目次



天下を競望せず…

わしは吉川元春(きっかわもとはる)の三男、広家(ひろいえ)です。



羽柴秀吉(はしばひでよし)との和睦後、備中を後にした毛利(もうり)軍は安芸に帰った。


コアラ備中高松城の戦いで和睦となったんだよね




毛利家当主・毛利輝元(もうりてるもと)、小早川隆景(こばやかわたかかげ)は吉田郡山城(よしだこおりやまじょう)に向かったが、元春はそのまま自らの居城・日野山城(ひのやまじょう)に帰って行った。



元春の長男・元長(もとなが)や、わし、経言(つねのぶ、後の広家)は、


経言「吉田郡山城の方向とは違いますが…」


元長「父上!父上!方向が違いまする!」


元春「このままでよい!我らは日野山城に帰るのだ。」


元長「今後のことを殿や隆景叔父上と話せさねばなりませぬ。」


元春「…元長、そなたがわしの代わりに話し合いに行ってくれ。わしは…疲れた。先に戻る。」




吉川元長



元春は経言と日野山城に入った。




日野山城では元春の妻・(ゆう)が出迎えた。


優「殿(元春のこと)、お帰りなさいませ。経言もご苦労様でした。」


元春「うむ、わしは疲れた。居間に入るがひとりにしてくれ。」


優「……はい。」



元春はひとりで自室に入っていった。


優「経言、郡山城に行ったのですか?」


経言「いえ、父上とわしは行っておりませぬ。兄上が父上の代わりに行っております。」


優「…よほど嫌なことがあったのでしょう。」


経言は備中高松城での戦いの経緯や本能寺の変のこと、その後の毛利の対応等々を話した。


優「輝元様や隆景殿と意見が合わなかったのですか…でも父上の思いは従ってくれた家臣を大事に思ってのこと。それも毛利に必要なことですね。」


経言「はい、今後、どうなるのでしょう…」



元春は自室に入って、


元春「……弥助(やすけ)!おるか⁉︎」


弥助が現れた。


元春「弥助、体は休めたか?」


弥助「はい、休養は十分取れましたゆえ。」





コアラ忍びの弥助は鳥取城の戦いで兵糧攻めの巻き添えになったんだよね


元春「本能寺(ほんのうじ)での変事は知っておるか?」


弥助「はい、聞いております。」


元春「今から上方へ行き、情勢を調べてまいれ。信長(のぶなが)のこと、秀吉(ひでよし)のこと、明智光秀(あけちみつひで)のこと…あらゆることをつぶ様に調べてこい。」


弥助「かしこまりました。」



元春は既に動き出していたのだ。





一方、吉田郡山城では輝元、隆景と元長らが話し合いをしていた。




輝元「元春は勝手に帰るとは⁉︎」


元長「申し訳ございません。」


隆景「殿(輝元のこと)、元春兄は我らに任せたと言うことです。」


輝元「されと、毛利の重臣ぞ。もしや…」


隆景「裏切ることは万にひとつもありませぬ。既に元春兄上は動き出しているはずです。」


元長「弥助…」



そこへ家臣が入ってきた。


家臣「足利義昭(あしかがよしあき)様より文がきております。」


輝元「公方様から…持ってまいれ。」


足利義昭


コアラ義昭さんは信長さんに京を追放されて備後の鞆に入って毛利の庇護を受けているんだよ



義昭の文には、


『信長が討たれた。わしは京へ帰るゆえ、備前・播磨に出兵せよ…』




隆景「まったく、今は京に帰れることはないのに…」


輝元「公方様には、これ以上付き合ってはおられぬ。今、毛利がやることは領国の動揺を抑えることだ。出兵などできぬわ。」


隆景「京の情勢は元春兄が調べているはず。我らは領国経営に専念しましょう。」




毛利は領国に収まった。


上方では秀吉が山崎の戦いで光秀に勝利した…





つづく…



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