猛将親父 〜第139話 武士の鑑〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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目次




天下を競望せず…

わしは吉川元春(きっかわもとはる)の三男、広家(ひろいえ)です。


和睦交渉に行っていた安国寺恵瓊(あんこくじえけい)が羽柴秀吉(はしばひでよし)方の陣から戻ってきた。

安国寺恵瓊



元春の陣には小早川隆景(こばやかわたかかげ)や猿掛城(さるかけじょう)にいた毛利輝元(もうりてるもと)も集まっていた。


恵瓊「秀吉は5ヶ国(備中、備前、美作、伯耆、出雲)の割譲と清水宗治(しみずむねはる)の切腹を要求してきました。」

元春「宗治の切腹…」

隆景「備中高松城(びっちゅうたかまつじょう)の兵の助命は聞き入られるのか?」


コアラ備中高松城は秀吉軍の水攻めで湖の中にいるようになってんだよね


恵瓊「秀吉はまもなく織田信長(おだのぶなが)が来る、信長が来たら、こんな甘い和議ではすまぬとも…言っておりました。」

輝元「すまぬとは…どうなるのだ?」

隆景「多分…殿、元春兄、わしの切腹でしょう。」

輝元「切腹は嫌じゃ!それに毛利は滅亡ではないか!秀吉の条件をのめばよいではないか⁉︎」

元春「…なりませぬ。」

隆景「恵瓊、高松城に小舟で行ったのであろう。宗治はなんと?」

恵瓊「宗治は自らの首を差し出すゆえ、城兵の命を助けて欲しいと…毛利のためになるなら、首を差し出すことは安いこととも…」

元春「殿、隆景。ならば、わしの首を差し出す。」

輝元、隆景は驚き、元春の顔を見た。

輝元「叔父上、何を言うのだ!」

元春「毛利のために、これ以上、忠臣を失いたくないのだ。わしは鳥取城(とっとりじょう)では吉川経家(きっかわつねいえ)を助けることができなかった…毛利のために命をかけて皆が戦っておる。ここは毛利を守るためにわしが生命を差し出す!!」

隆景「なりませぬ!!吉川、小早川は毛利を支えるためにあるが、我らの父、元就(もとなり)は命を出すことを望んではおらぬはず!」

元春「わしの命を差し出すことも毛利を支えることになる。父が望んでおらぬとも、これがわしのやり方なのだ!」


元春と隆景は顔を突き合わした。




輝元「2人とも、やめい!!ここで言い争ってどうする⁉︎一旦、解散じゃ!わしが考える!皆、下がれ!」



めずらしく輝元が怒鳴ったのだ。




ところが…



天正10年(1582年)6月3日深夜、秀吉が恵瓊を呼び出したのだ。


隆景「どうしたのだ?秀吉から呼び出しがあるとは?」


恵瓊「わかりませぬが…行ってまいります。」



恵瓊が向かおうとした時、輝元が、


輝元「恵瓊、昨日の秀吉の条件をのむと言ってまいれ。頼むぞ。」


恵瓊「元春様や隆景様には?」


輝元「毛利の当主はわしじゃ。さぁ行くのじゃ。」





恵瓊は秀吉方の黒田官兵衛(くろだかんべえ)の陣に入った。


そこには秀吉もいた。


秀吉「恵瓊、これ以上、戦を長引かせても、よくはない。信長様から和議の条件を見直せとも言われたのだ。」


恵瓊「信長殿から…で、どのような条件で?」


秀吉「5ヶ国の割譲と言っておったが、備中、備前、美作の3ヶ国に割譲と清水宗治の切腹が条件だ。」


恵瓊「3ヶ国!高松城の城兵の助命は?」


秀吉「うむ、宗治が切腹をするなら助命とする。ここらで決められよ。」



恵瓊は輝元の言葉を思い出し、


『3ヶ国の割譲なら毛利にとっても、いい条件だ。』



恵瓊は頭を下げ、


恵瓊「わかりました。この条件で和睦といたします。」





和睦が成ったことは、すぐさま毛利の陣にも伝わった。


輝元「織田と和睦が成ったぞ。」


隆景「3ヶ国とは…あれだけ強固だった秀吉が…いかなることか…」


元春「……納得がいきませぬ。宗治を失うことになるのだ…」


隆景「兄上、気持ちはわかりますが…家臣はその分をわきまえて戦っておるのです。兄上が切腹したら宗治は生きておりますまい。」


元春「……わしは助けたかった。」




6月4日、宗治は小舟で水上に出た。




「浮世をば 今こそ渡れ 武士の 名を高松の 苔に残して」


宗治は切腹した。



秀吉は宗治の切腹を見て、武士の鑑と賞賛した。



元春は、


「毛利を守った宗治、永遠に語り継がれようぞ」






その後、秀吉軍は陣を退いたが、毛利に驚愕の報せが入ったのである。



それは、本能寺の変であった…





つづく…




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