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「父上!!」
高瀬城の庭から夜月を見ていた元春の前に毛利元就(もうりもとなり)が現れた。
元春「なぜ、ここにおられるのですか?お身体は大事ないのですか?」
元就「そんなに問うでない。まずはあの綺麗な夜月を見よ。」
元就はジッと月を見ていた。そんな元就を元春は横目で見ていた。
確か元就さんは病で安芸の吉田郡山城(よしだこおりやまじょう)にいるはず…
元就「元春、お前のことだ。いずれは尼子(あまこ)の残党を追い、平定するであろう。」
元春「はい、父上が援軍を送ってくれたおかげで助かりました。後わずかです。」
元就「元春、毛利は5ヶ国、10ヶ国と領土を拡げられた。」
陶、大内を滅ぼし、尼子を滅ぼし領地を拡げたんだよね
元春「我らは更に拡げていきましょう!いずれは天下も夢ではありませぬ。」
元就「…ならぬ。毛利はこれ以上望んではならぬ。毛利がここまで来たのは、運が良かっただけなのだ。」
元春「そんなことは…」
元就は元春が喋ろうとしたのを遮った。
元就「毛利は今の領地をしっかりと守るのだ。天下を競望せず」
元春「天下を望まないと⁉︎」
元春は唖然とした。
元就「元春、隆景(たかかげ)と共に輝元(てるもと)を補佐し毛利を強固な体制を作るのだ。良いか、三子教訓状をよく読むのだ。」
三子教訓状は元就が隆元(たかもと)、元春、隆景に残した教訓を書いたものなんだ。隆元さんは亡くなったけど。
元就「元春、戦は真っ直ぐ戦うだけでは勝てぬ時もある。猛将も時には謀も必要ぞ。」
元春「父上…」
……
「父上!父上!」
元春の目に映ったのは、才寿(さいじゅ)…私だった。
私は高瀬城の庭で寝ていた元春を見つけ、起こしたのだ。
元春「才寿…わしは庭で寝ていたのか?」
才寿「はい、ここを通りかかろうとしたら父上が倒れていたので驚いたのです。」
元春「…才寿、父上…お祖父様(元就のこと)を見かけなかったか?」
才寿「お祖父様?いませんでした。お祖父様は安芸吉田にいるはずですが…」
そこへ家臣の二宮俊実(にのみやとしざね)が慌てて入ってきた。
俊実「殿!!吉田郡山城から報せがあり…大殿(元就のこと)がお亡くなりになりました!!」
元春「何っ!!」
元春は驚いたが、
元春「…先ほどの父上は遺言だったのか…」
そう言って夜空を見た。
綺麗な夜月だったのだ…
つづく…
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