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天下を競望せず…
わしは吉川元春(きっかわもとはる)の三男、広家(ひろいえ)です。
「石見銀山を手中にする」
毛利元就(もうりもとなり)は元春にそう言い切った。
しかし、元春は気乗りがしなかった。
元就「広大な領地を手にした毛利にとって石見銀山は必要なのだ。」
元春「父上、前回の失策がまだ解決できておりませぬ。」
元就「元春らしくもない。時期尚早と言うことはない。早く攻めねば尼子がますます力をつけることになる。」
元春「……わかりました。まずは石見銀山周辺の尼子方の城を落としていきます。」
元春が気になっているのは忍びの弥太郎(やたろう)のことだった。
元春は出陣の準備で自らの居城、日野山城(ひのやまじょう)に帰った。
日野山城跡
日野山城では正室、優(ゆう)が出迎えていた。
優「殿、浮かない顔ですね。」
元春「…うむ。石見銀山攻めに出ねばならぬ。しかし、わしは無策だ…」
優「弥太郎のことを気にされてますね。居場所はわかりましたか?」
元春「わからぬ。尼子にいるのか、どうかもわからぬ。」
優「弥太郎は忍び。一ヶ所にいるわけがごさいませぬ。それより弥太郎の妹を探し助ければいかがですか?」
元春「弥太郎は妹のために尼子方にいるとすれば…よし、妹を救出しよう。」
元春は世鬼政時(せきまさとき)に弥太郎の妹の居場所を探すように命じた。
永禄元年(1558年)2月、元春は石見の温湯城(ぬくゆじょう)を落とすべく出陣した。
温湯城は尼子方の小笠原長雄(おがさわらながかつ)が守る城であった。
長雄さんは最初は大内義隆(おおうちよしたか)さんに従っていたんだけど、義隆さん亡き後は尼子に仕えたんだ。
長雄はすぐさま尼子に救援を求めた。
救援を聞いた尼子晴久(あまこはるひさ)は、
晴久「毛利め、懲りずに攻めてきたか…弥太郎!毛利を掻き回してこい!」
弥太郎「…はい。」
温湯城はなかなか落ちなかった。
永禄2年(1559年)5月になり、元春の軍勢に元就も合流し軍勢は12,000になった。
8月に、長雄は降伏し温湯城は開城した。
開城した城から元春の家臣、福原元正(ふくはらもとまさ)が慌てて駆けてきた。
元正「殿!殿!」
元春「どうした?そんなに慌てて」
元正「城の中の捕らえた兵の中に弥太郎がいました!」
元春「何⁉︎ 」
温湯城に弥太郎がいたのだ…
つづく…
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