猛将親父 〜第32話 決意の時〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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目次





天下を競望せず…


わしは吉川元春(きっかわもとはる)の三男、広家(ひろいえ)です。




天文23年(1554年)1月…


元春は吉田郡山城(よしだこおりやまじょう)に来ていた。




毛利元就(もうりもとなり)、隆元(たかもと)に呼び出されていたのだ。



用件は陶晴賢(すえはるたか)から石見の吉見正頼(よしみまさより)討伐への援軍要請についてだった。


コアラ吉見正頼さんは大内義隆(おおうちよしたか)さんを討った晴賢さんに反抗してたんだよね



元春「陶殿から出陣要請とは…毛利を試しているようですね。」

元就「うむ…実は出陣要請は陶からだけではない。吉見正頼からも要請が来てあるのだ。」

元春「なんと⁉︎」


※画像はお借りしました



隆元「父上、これは吉見殿と陶を討つ機会。大内義隆様を討った陶は必ず天罰が下ります!」



隆元は自らの正室あやが義隆の養女であり、義隆には恩義があったのだ。


元春「兄上、毛利が吉見に合力したとしても兵力では敵いませぬ。陶殿には豊後の大友(おおとも)も付いておりまする。」

元就「隆元、気持ちはわかるが…毛利が独立するには時期尚早。今は陶に付くしかあるまい。」

隆元「ならば、父上が出陣してはなりませぬ。吉見殿を討伐した後、父上が拘束されるかもしれませぬ。毛利家存続のためには、わしか元春が父上の名代として出陣します。それならば陶への義理立てになります。」

元春「うむ、兄上のおっしゃるとおり。ここはわしが行きます。」

元就「……。」




元就は晴賢にも正頼にも返事はしなかった。



3月、晴賢は大内の新たな当主大友晴英(おおともはるひで)改め大内義長(おおうちよしなが)を総大将に正頼の三本松城(さんぽんまつじょう)に進軍した。


三本松城跡



毛利家から参陣する気配はなかった。


これを受けて晴賢は、


晴賢『元就め、ここにきて参陣しないとは…ならば安芸の国人衆に直接参陣を促す。』



晴賢は毛利家を通さずに安芸の国人衆に参陣を促す書状を送ったのだ。

コアラ安芸の国人衆のまとめを毛利家に任せていたのは晴賢さんなんだけど…毛利家を飛び越えちゃったね





しかし、晴賢から国人衆への書状を送る密使が国人衆のひとつ、平賀弘保(ひらがひろやす)に捕まったのだ。


弘保は元就のおかげで平賀家再興が叶った恩があり、毛利に忠誠を示していたのだ。



これを見た元就は隆元、元春、そして小早川隆景(こばやかわたかかげ)を呼んだ。



隆元「陶は安芸の国人衆を我らに任せるといいながら、その約束を違えた。」

隆景「毛利を潰しにかかるのでは…」

元春「…父上!もはや決意すべきです!」



外を見ていた元就は、ゆっくり振り返り3人の息子に向かって、


元就「既に決意しておる…陶晴賢と戦う!」



3人は元就を凝視した。

元就「此度は今までの戦とは違う。手伝い戦ではなく、毛利が自ら立ち戦うのだ。兵力は敵わずとも、我らの力を結集するのだ!」

元春「力を見せてやりましょう!」

隆景「お任せくださりませ!」


隆元は元春、隆景の肩をたたき、


隆元「毛利の決死の戦をいたす!出陣の準備をせよ!」


元春、隆景「はっ!!」




毛利家の決死の戦が始まったのだ…






つづく…





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