猛将親父 〜第28話 血の粛清〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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目次





天下を競望せず…


わしは吉川元春(きっかわもとはる)の三男、広家(ひろいえ)です。




天文19年(1550年)、元春は新たな城、日野山城の築城に忙殺されていた。


日野山


コアラそれまで吉川家の居城、小倉山城(おぐらやまじょう)から新たな城を作っているんだよね


元春は築城現場に出て、鼓舞していた。


そこへ家臣の福原元正(ふくはらもとまさ)が慌ててやって来た。


元正「殿!殿!」

元春「どうした、そんなに慌てて。何があった?」

元正「一大事にございます!大殿(元就のこと)が井上元兼(いのうえもとかね)と一族30人を粛清しました!」

元春「!!!……やはりか…」


井上元兼


元正「殿は知っておられたのですか?」

元春「いや…いずれは粛清するだろうとは思っていた。井上一族は父上(元就のこと)が幼少の頃、所領を横取りされたりなど積年の恨みがあったのだ。さらには元兼の専横に家中の皆も苦々しく思っていたからな。」




井上元兼と井上一族は毛利家の財政面を支えていた。さらに毛利元就(もうりもとなり)が毛利家の家督を継ぐ時に尽力したのだ。

コアラ元就さんが家督を継ぐ時に争いがあって、元就さんを全面的に支援したのが井上一族なんだよね



『元就を支えた、毛利家の今があるのは我らのおかげだ』と元兼には奢りがあり、毛利家の評定、行事に出ず、専横を極めていたのだ。



元就『吉川家、小早川家が毛利家の力になった今、家中を乱す井上一族は必要ない!」





元就は家臣の福原貞俊(ふくはらさだとし)、桂元澄(かつらもとづみ)が300騎余りの兵を率い、元兼の館を襲い、元兼は自害。


福原貞俊

コアラ貞俊さんは福原元正さんのお兄さんなんだよ


他の井上一族も誅殺され、30余名が粛清されたのだ。


ただし、元就らが山口に下向した際に元就を看病した井上光俊(いのうえみつとし)や井上一族の長老で恩のある井上光兼(いのうえみつかね)らは助命しているのである。





元春は日野山から遠くを眺めながら、


元春「これで家中はひとつになったな。」

元正「家臣団は毛利家に対して忠誠を誓う起請文を出しました。」

元春「それでよい。しかし、家中で血を流すのは、これで最後にせねば…家中の争いは家を滅ぼすからの…」



家中の争い…それの争いが毛利家に降りかかってくるのは間近だった…





つづく…






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