猛将親父 〜第17話 三本の矢〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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目次






天下を競望せず…


わしは吉川元春(きっかわもとはる)の三男、広家(ひろいえ)です。




毛利元就(もうりもとなり)は3人の息子、隆元(たかもと)、元春、徳寿丸(とくじゅまる)を呼んだ。

毛利元就

元就「皆にも承知してほしいのだが…此度、徳寿丸を竹原小早川家(たけはらこばやかわけ)の養子になることになった。」

元春「なんと!?竹原小早川と言えば、当主の興景(おきかげ)殿が亡くなり当主不在ですが…徳寿が当主に?」

コアラ竹原小早川興景さんは戦の最中に病死したんだよ

元就「うむ、当主としていくのだ。」

徳寿丸「私が竹原小早川家の当主に…。」

隆元「これは大内義隆(おおうちよしたか)様からもお願いされておる。竹原小早川家は水軍も毛利より強固だ。」

元春「ならば我が毛利に水軍を取り込むことができますな。」

元就「皆、聞くのだ。」


隆元、元春、徳寿丸は元就を見た。


元就「徳寿丸、竹原小早川家の人間にはなるが、3人は血を分けた兄弟であることは忘れてはならぬ。」

徳寿丸「はい。」

元就「この乱世、兄弟で争う家も多々ある。毛利はそうあってはならぬ…わしは毛利の当主になった時、心ならずも弟の相合元綱(あいおうもとつな)を討ち果たしてしまったのだ。」



元就「わしは今日まで、家を守る為に必死だった。わしは1人だったが…お前たちは1人ではないのだ。」



元就は矢を出した。



元就「元春、この矢を折ってみよ。」


元就は元春に一本の矢を渡した。元春はバキッと矢を折った。

元春「この矢が何か?」

元就「ならば三本の矢を束ねて折ってみよ。」


元春は三本の矢を受け取り、折ろうとしたが…


元春「う〜ん、う〜ん…くっ…折れませぬ!くそっ!」

元就「もうよい、矢も束ねると、折れず強固になる。お前たちも力を束ねれば強いのだ。3人、力を合わせて毛利の家を守っていくのだ。」

隆元、徳寿丸「はい!」



コアラ毛利元就の「三本の矢」のお話は有名だね。



バキッ!!

元春「はぁ、はぁ…父上、折れました。」


元春は足を使って折ってしまったのです。


隆元「元春!父上はそう言うことを伝えたんじゃないぞ!」

元就「はははははっ、全く元春は…相変わらずイノシシだの。」

元春「父上、わかっておりまする。この矢以上にわれら3人は力を合わせて毛利を強くします。」

徳寿丸「父上、毛利の男子としての心構えは忘れませぬ。」





徳寿丸、後の小早川隆景(こばやかわたかかげ)




元就と3人の息子が話しているのを美し(よし)は影で聞いていた。

美しはニコッと微笑んでいた。

美し「私はいい子供たちに恵まれました。」



その時、美しは急なめまいに見舞われた…。






つづく…



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