我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。
「ぐはッ!!」
細川政元(ほそかわまさもと)の胸に飛んできた矢が刺さり、政元は口から血を吐き出した。
矢が飛んできた方向には政元の養子の澄之(すみゆき)がいた。
政元「すっ…澄之、やはりお前だったか…」
澄之「さすが父上、お分かりでしたね。私が父上の後を継ぎます。父上には死んでいただきます。」
政元「…ふっ…」
政元は微笑んだ。
政元「わしはこの時を望んでいた…これでわしは自由になれる。わしの世が欲しくば、そなたにくれてやる。」
澄之「…望んでいた?死ぬことを望んでいたと?」
政元「……澄之…世を治めてみよ…世の争乱を…。」
その場にいた澄之付きの家臣、香西元長(こうざいもとなが)が澄之の腕を引っ張り、
元長「澄之様、行きましょう…」
澄之「うむ…。」
澄之、元長らはその場から去っていった。
腕を斬られた忍びの紗奈(さな)が瀕死の政元の側に寄りました。
紗奈「殿!死んではなりませぬ!」
政元「…良いのだ、これで…」
紗奈は政元の手を握った。
政元「紗奈…そなたはまだしばらくは生きよ…世がどうなるか、あの世でわしに教えてくれ…これが…最後のわしからの命ぞ……紗奈…ありがとう……」
紗奈「殿!!!」
政元は紗奈の腕の中で逝った…。
大乱の中、管領・細川氏に生まれ、争乱を生き抜き、将軍を凌ぐ権力を持ち半将軍と言われた政元。
修験道にのめり込み天狗になろうとした政元。
政元が生きていれば…争乱は治ったのだろうか?
政元により戦国時代が始まったと後の世では言われている。
しかし、政元は必死で争乱と戦い治めようとしたのだ。
政元の死で世はさらなる争乱になっていく…。
完
にほんブログ村



