世は争乱…
我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。
「う〜ん…」
細川政元(ほそかわまさもと)の忍び、紗奈(さな)は眠っていたがうなされていた。
紗奈はさらにうなされた。
ザグッ!!
政元『ぐわぁ〜!』
紗奈『政元様〜!!」
そこで紗奈は目が覚めた。
紗奈「はっ!……夢…夢か…」
紗奈は酷い汗をかいていた。
紗奈「政元様が暗殺される夢とは……」
紗奈は数日間、嫌な予感がしており悪夢ばかり見ていたのだ。
この物語では紗奈さんは政元さんの乳母であり、忍びであり、かつては男女の関係でもあったんだ。
永正7年(1507年)、政元は自邸に養子の澄之(すみゆき)、澄元(すみもと)、三好之長(みよしゆきなが)、香西元長(こうざいもとなが)らを呼び軍議を開いた。
政元「若狭の武田元信(たけだもとのぶ)殿から、また一色義有(いっしきよしあり)攻めの援軍の要請がきた。昨年、澄之、元長が攻め、和睦したにも関わらず、まだ丹後は落ち着いておらぬ。」
政元は澄之をチラリと見たが澄之は落ち着いた表情をしていた。
政元「此度は細川京兆家、全軍をもって丹後を攻める。」
之長「全軍というと、殿も出陣されるのですか?」
政元「無論わしも行く。赤沢朝経(あかざわともつね)も大和から参陣する。」
澄之「布陣はいかがになりますか?」
政元「澄之は元長と、澄元、之長はわしと、二手に分けて攻める。よいな、各々、すぐ準備にかかれ!」
政元は軍議後、龍安寺(りょうあんじ)を訪れた。
そこで15個の石のある石庭を見ていた。
政元は石のひとつひとつをじっと見つめていた。
政元「………紗奈来ていたのか…」
そこへ紗奈が石庭の端から現れた。
紗奈「はい、丹後攻めに殿自身行かれるのですか?」
政元「うむ、丹後を治めれば、ようやく落ち着くであろう。」
紗奈「……此度の出陣は嫌な予感がします。」
政元「わしが命を落とす予感か…」
紗奈「はい、その夢ばかり見ます。」
政元「…わしもその夢を見ておる。わしはもう時期死ぬのだろう。」
政元は自らの寿命が終わるのを感じていたのだ…。
つづく…
次回をお楽しみに〜
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