天狗将軍 〜第100話 淡路での策〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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世は争乱…

我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。



永正2年(1505年)、細川政元(ほそかわまさもと)は細川阿波守護家を攻めるため、淡路島に入った。

淡路島

政元は淡路島に入る前に淡路守護家の細川尚春(ほそかわひさはる)を讃岐から阿波を攻めていたが、阿波守護家の家臣、三好之長(みよしゆきなが)が淡路島の淡路守護家の館を炎上させたのだ。

コアラ淡路守護家の細川さんも細川氏の庶流だね



政元は養子である細川澄之(ほそかわすみゆき)を連れていた。


政元は淡路島に入っても修験道の念を毎日欠かさなかった。



讃岐に入った尚春は之長に惨敗を繰り返していた。


尚春「ひいぃ〜、逃げろ!」


之長は統率力があり、戦に強かったのだ。





政元の元には惨敗する報せばかり入ってきた。

それなのに政元は淡路島からは動かなかった。その姿に苛立った澄之は、

澄之「父上!讃岐には攻めないのですか!?」

政元「…攻めぬ、わしは待っておるのだ。」

澄之「待つ?何を…」


そこへ忍びの紗奈(さな)がやってきた。

紗奈「殿…お連れしました。」

政元「うむ、通せ。」



そこへ来たのは三好之長だった。

三好之長


澄之は唖然とした。今、戦っている相手がここに来るなぞ考えられないことだったからだ。


政元「よく来た、之長。」

之長「これ以上は戦いたくはないからな。」

政元「そなたの望みは京に上洛することか?」

之長「政に参画して民のためになることをしたい。そのためなら仕える主は誰でもよかったのだ。」

政元「それで澄元(すみもと)を担いで、わしと戦ったのだな。ならば澄元と上洛すればよい。」

之長「なんと!?」

政元「澄元は養子として認める。そなたはわしに仕えよ。」

之長「…なぜ認めるのだ?阿波守護家とはどうするのだ?」

政元「阿波は細川一門。細川同士で争っては他の守護大名と同じ末路を見る。ここは和睦する。そして、わしがそなたの力量を認めている。」



政元「わしは幼い頃、土一揆を主導するそなたを見た時から家臣に欲しいと思っていた。わしの力になれ!よいな。」

之長は平伏し、

之長「かしこまりました。」



政元と阿波守護家は和睦した。

政元は淡路島から見える海を見ながら澄之に語った。

政元「澄之、わしが四国に渡らずとも戦は治めたであろう。」

澄之「はい、武力を使わず戦を終わらした…素晴らしい策にございます。」


政元は澄之に向かってニッコリと笑った。



永正3年(1506年)細川澄元は上洛した。その先陣は之長であった。



之長は細川京兆家の家臣となったが、これが新たな争いを生むことになった…。







つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜








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