世は争乱…
我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。
永正2年(1505年)、細川政元(ほそかわまさもと)は細川阿波守護家を攻めるため、淡路島に入った。
政元は淡路島に入る前に淡路守護家の細川尚春(ほそかわひさはる)を讃岐から阿波を攻めていたが、阿波守護家の家臣、三好之長(みよしゆきなが)が淡路島の淡路守護家の館を炎上させたのだ。
淡路守護家の細川さんも細川氏の庶流だね
政元は養子である細川澄之(ほそかわすみゆき)を連れていた。
政元は淡路島に入っても修験道の念を毎日欠かさなかった。
讃岐に入った尚春は之長に惨敗を繰り返していた。
之長は統率力があり、戦に強かったのだ。
政元の元には惨敗する報せばかり入ってきた。
それなのに政元は淡路島からは動かなかった。その姿に苛立った澄之は、
澄之「父上!讃岐には攻めないのですか!?」
政元「…攻めぬ、わしは待っておるのだ。」
澄之「待つ?何を…」
そこへ忍びの紗奈(さな)がやってきた。
紗奈「殿…お連れしました。」
政元「うむ、通せ。」
そこへ来たのは三好之長だった。
澄之は唖然とした。今、戦っている相手がここに来るなぞ考えられないことだったからだ。
政元「よく来た、之長。」
之長「これ以上は戦いたくはないからな。」
政元「そなたの望みは京に上洛することか?」
之長「政に参画して民のためになることをしたい。そのためなら仕える主は誰でもよかったのだ。」
政元「それで澄元(すみもと)を担いで、わしと戦ったのだな。ならば澄元と上洛すればよい。」
之長「なんと!?」
政元「澄元は養子として認める。そなたはわしに仕えよ。」
之長「…なぜ認めるのだ?阿波守護家とはどうするのだ?」
政元「阿波は細川一門。細川同士で争っては他の守護大名と同じ末路を見る。ここは和睦する。そして、わしがそなたの力量を認めている。」
政元「わしは幼い頃、土一揆を主導するそなたを見た時から家臣に欲しいと思っていた。わしの力になれ!よいな。」
之長は平伏し、
之長「かしこまりました。」
政元と阿波守護家は和睦した。
政元は淡路島から見える海を見ながら澄之に語った。
政元「澄之、わしが四国に渡らずとも戦は治めたであろう。」
澄之「はい、武力を使わず戦を終わらした…素晴らしい策にございます。」
政元は澄之に向かってニッコリと笑った。
永正3年(1506年)細川澄元は上洛した。その先陣は之長であった。
之長は細川京兆家の家臣となったが、これが新たな争いを生むことになった…。
つづく…
次回をお楽しみに〜
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