世は争乱…
我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。
「わしは認めぬ」
細川政元(ほそかわまさもと)は自らが将軍職を廃した足利義材(あしかがよしき)の言葉を思い出していた。
政元『まだ…諦めておらぬのか…しかし、小豆島に流すしかあるまい』
政元は修験道の念を唱えていたが義材のことが頭から離れなかった。
外は雨音が響き、強い風が吹き荒れていた。
そこへ紗奈(さな)が慌ててやってきた。
政元「紗奈!どうした⁈騒がしいぞ!」
紗奈「申し訳ございません。殿、一大事です!義材様が逃亡しました!」
政元「何っ!!一体どこへ行ったのだ!?」
政元は義材が幽閉されていた上原元秀(うえはらもとひで)の館に雨の中にかまわず向かった。
政元「元秀!何をしておったのだ!?」
元秀「申し訳ごさいませぬ!見張りが斬られてしまい…逃亡されました。」
政元は義材が幽閉されていた部屋を見た。
政元「…誰が義材様を助けたのだ?」
紗奈「義材様の側近の生き残りと畠山政長(はたけやままさなが)の家臣ではないでしょうか」
元秀「政長の家臣といえば…越中の神保長誠(しんぼながのぶ)は此度の河内征伐には参戦しておりませんでした。」
政元「神保…義材様は北陸に向かったのか…」
その頃、義材は雨の中、必死で京の街を抜け出していた。
義材とその一行は京の街を見渡せる山まで逃げてきた。
義材「ようやく、ここまで来た。」
家臣「御所様(義材のこと)、まだ安心はできませぬぞ。亡き政長様の領地まで向かわねばなりませぬ。」
義材「越中か…遠いの…」
家臣「越中では政長様の家臣、神保長誠が待っておりまする。」
義材「うむ…越中で兵を集め、京を取り返してみせる!政元め、今に見ておれ!」
越中に逃げた義材、紀伊の畠山尚順(はたけやまひさのぶ)…そして京での政と政元にはやらねばならぬことが山積みになっていたのだ…。
つづく…
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