世は争乱…
我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。
明応2年(1493年)4月23日…
京の街に火の手が上がり、館が破壊されていた。
ついに細川政元(ほそかわまさもと)の兵が第10代征夷大将軍・足利義材(あしかがよしき)に関係する人の館を次々に破壊していたのだ。
政元は遊初軒に保護していた清晃(せいこう)の元にいた。
政元「今に騒ぎは治ります。清晃様…いや御所様、しばらくのご辛抱を…。」
清晃「うむ。」
清晃くんは義尚さんや義材さんの従兄弟で、この時、まだ12歳なんだ
一方、我が母、日野富子(ひのとみこ)と伊勢貞宗(いせさだむね)は京に残っていた将軍直臣に向かい、
富子「今日より将軍は変わりました!足利義材を廃し、新たに清晃が征夷大将軍である!」
貞宗「皆、新たな将軍、清晃様にお仕えせよ!」
将軍直臣たちは動揺した。
しかし、幕府では絶大な権力のある富子の言葉に皆従ったのだ。
貞宗「河内に遠征している直臣や諸大名にも、この事を伝えよ!そして…畠山政長(はたけやままさなが)を河内守護職から外す!これも伝えよ!」
全ては政元の思う通りに運んだのだ。
河内の義材や政長が陣を置いている正覚寺では、義材や政長が畠山義豊(はたけやまよしとよ)の首を待っていた。
義材さんは政長さんの依頼で河内征伐に出かけていたんだよね
政長「敵は何もしてきません。御所様(義材のこと)、まもなく我が兵が義豊の首を上げてくるでしょう。」
義材「うむ、これでようやく畠山も1つになるのだな。これからはそなたを頼りにしようぞ。」
政長「はっ!」
そこへ、義材の家臣が入ってきた。
家臣「御所様、一大事にございます!」
義材「どうした?そんなに慌てて。」
家臣「京で御所様の館、御所様の御妹君や御弟君の寺院が破壊され…」
義材「何!?」
家臣「そして清晃様が新たな将軍だと発せられました!」
義材も政長も驚いた。
義材「一体、誰がこんなことをしたのだ!?」
家臣「細川政元、大御台の富子様にございます。」
義材「政元!!」
義材は言葉が出なかった。
政長「御所様!我らには大軍がござります。これをもって京に帰れば政元など一網打尽です。」
義材「そうか…わしにはまだ従う大軍がいたのだな。」
ところが義材の期待も虚しく、義材に従っていた奉公衆や諸大名は京の一報を受け、さらに伊勢貞宗の「新たな将軍に仕えよ」の謀書で京に帰ってしまったのだ。
義材『なぜだ?なぜ皆、わしの元からいなくなるのだ?』
義材に従うのは政長だけだったのだ。
4月28日、政元は清晃を還俗させ名を足利義遐(あしかがよしとお)とし、第11代征夷大将軍に擁立したのだ…。
つづく…
次回をお楽しみに〜
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