天狗将軍 〜第75話 明応の政変〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

前回まではこちら⬇️




世は争乱…

我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。





明応2年(1493年)4月23日…




京の街に火の手が上がり、館が破壊されていた。


ついに細川政元(ほそかわまさもと)の兵が第10代征夷大将軍・足利義材(あしかがよしき)に関係する人の館を次々に破壊していたのだ。




政元は遊初軒に保護していた清晃(せいこう)の元にいた。


政元「今に騒ぎは治ります。清晃様…いや御所様、しばらくのご辛抱を…。」

清晃「うむ。」


コアラ清晃くんは義尚さんや義材さんの従兄弟で、この時、まだ12歳なんだ




一方、我が母、日野富子(ひのとみこ)と伊勢貞宗(いせさだむね)は京に残っていた将軍直臣に向かい、

富子「今日より将軍は変わりました!足利義材を廃し、新たに清晃が征夷大将軍である!」

貞宗「皆、新たな将軍、清晃様にお仕えせよ!」





将軍直臣たちは動揺した。


しかし、幕府では絶大な権力のある富子の言葉に皆従ったのだ。


貞宗「河内に遠征している直臣や諸大名にも、この事を伝えよ!そして…畠山政長(はたけやままさなが)を河内守護職から外す!これも伝えよ!」



全ては政元の思う通りに運んだのだ。






河内の義材や政長が陣を置いている正覚寺では、義材や政長が畠山義豊(はたけやまよしとよ)の首を待っていた。


コアラ義材さんは政長さんの依頼で河内征伐に出かけていたんだよね


政長「敵は何もしてきません。御所様(義材のこと)、まもなく我が兵が義豊の首を上げてくるでしょう。」

義材「うむ、これでようやく畠山も1つになるのだな。これからはそなたを頼りにしようぞ。」

政長「はっ!」




そこへ、義材の家臣が入ってきた。



家臣「御所様、一大事にございます!」

義材「どうした?そんなに慌てて。」

家臣「京で御所様の館、御所様の御妹君や御弟君の寺院が破壊され…」

義材「何!?」

家臣「そして清晃様が新たな将軍だと発せられました!」


義材も政長も驚いた。

義材「一体、誰がこんなことをしたのだ!?」

家臣「細川政元、大御台の富子様にございます。」

義材「政元!!」


義材は言葉が出なかった。



政長「御所様!我らには大軍がござります。これをもって京に帰れば政元など一網打尽です。」

義材「そうか…わしにはまだ従う大軍がいたのだな。」




ところが義材の期待も虚しく、義材に従っていた奉公衆や諸大名は京の一報を受け、さらに伊勢貞宗の「新たな将軍に仕えよ」の謀書で京に帰ってしまったのだ。



義材『なぜだ?なぜ皆、わしの元からいなくなるのだ?』


義材に従うのは政長だけだったのだ。





4月28日、政元は清晃を還俗させ名を足利義遐(あしかがよしとお)とし、第11代征夷大将軍に擁立したのだ…。









つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜




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