世は争乱…
我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。
文明5年(1473年)5月11日、聡明丸(そうめいまる、後の政元〔まさもと〕)の父、細川勝元(ほそかわかつもと)が亡くなった。
享年44。
勝元の死は病死とされていたが、聡明丸だけは毒殺であることを知っていた。
聡明丸は勝元の言葉を思い返していた。
勝元『細川家の当主となり、山名と和睦せよ。乱を治めよ!』
「自分にできるのか…」と聡明丸は思っていた。
そんな時、聡明丸は8代将軍であり、我が父・足利義政(あしかがよしまさ)に呼び出された。
聡明丸「お呼びにより参上しました。」
義政「うむ…あの勝元が死ぬとは…人の生はわからぬものだ。」
聡明丸「…父は無念だったと思います。」
義政「勝元より以前から頼まれていたことがある。そなたの元服のことだ。」
聡明丸「私の元服…父はなんと?」
義政「勝元亡き後、そなたが細川家の当主。すぐにも元服するのだ。そして、わしの名の一字を与える。」
義政「元服の後は政元…細川政元と名乗るがよい。」
聡明丸「政元…かしこまりました。」
聡明丸は細川政元となった。
義政「近々、我が子、春王(はるおう)も元服いたす。これからも春王を支えてやってくれ。」
政元「はい!」
こうして政元はわずか8歳で元服し細川家の当主となったのだ。
政元はこれまで乳母として支えてくれた紗奈(さな)を引き続き、側に置いた。
政元「紗奈、これからもそなたの力が必要だ。わしの側で支えてくれ。」
紗奈「それはありがたいお言葉。亡き勝元様からもそのように申し使っております。しかし、私だけでなく、政元様を補佐する男性が必要です。勝元様からそのことも申し使っております。」
政元「うむ、その補佐するのは一族の者か?」
紗奈「はい、分家の細川政国(ほそかわまさくに)殿です。」
政元「政国なら父と一緒に乱を戦った武者。頼りになる人物だ。」
政元は前に進みだした。
その年の暮れに我の元服が行われ、我も名を改めた。
その名は足利義尚。
そして、将軍職も引き継いだのだ…。
つづく…
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