世は争乱…
我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。
「この愚か者!!」
室町御所に細川勝元(ほそかわかつもと)の怒鳴り声が響いた。
勝元「臣下であるお前が春王(はるおう、義尚の幼名)様をお諌めせねばならぬのに、一緒に外に出るとは何事か!」
聡明丸「…申し訳ございませぬ。」
聡明丸は謝るしかなかったようだ。
勝元「山名宗全(やまなそうぜん)と会ったそうだな…」
聡明丸「はい…母上がいました。」
勝元「そうか。」
聡明丸「父上、なぜ母上は敵方である山名邸にいるのですか?しかも、こちらの様子を話されていたのですよ!」
聡明丸は山名邸で母・里(さと)がいたことが衝撃だったのだ。
勝元「里は何を話していた?」
聡明丸「父上が戦を終わりにしたいとか、宗全殿と会いたがっているとか…」
勝元「うむ…宗全は何と申しておった?」
聡明丸「父上と同じく戦を終わらしたいと…」
勝元「同じ思いか…ならばこの機を逃してはならぬな。」
聡明丸「父上!母上は!?」
勝元「里はわしの意を汲んで義父である宗全の元に行っただけだ。あやつもわしと宗全の和睦を望んでおるのだ。」
幼い聡明丸には里が間者の役目をしたことを理解できなかった。
その夜、聡明丸は里が帰ってくるのを寝ずに待っていたが…帰ってこなかったようだ。
その後、勝元と宗全は乱を終結すべく、両方の家臣を使い密かに話し合いが進み出した。
しかし、両軍の中には和睦を反対するものがそれぞれいたのだ。
勝元の東軍では畠山政長(はたけやままさなが)や赤松政則(あかまつまさのり)。
政長「畠山の棟梁の座が決まらぬのに和睦はせぬ!」
政則「和睦をしたら、わしの領地を宗全にまた奪われるのか!?有り得ぬ!和睦などせぬぞ!」
西軍では畠山義就(はたけやまよしなり)。
義就「わしは負けておらぬ。政長などに畠山の棟梁の地位は渡さぬ!」
これでは拉致があかぬと勝元と宗全は直に会うことになった。
この和睦の機会に我が足利将軍家は何をしていたか…
勝元は宗全に会う前に我が母・日野富子(ひのとみこ)の元を訪れたのだ…
つづく…
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