天狗将軍 〜第5話 深夜の遊び〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

前回まではこちら⬇️




世は争乱…

我は室町幕府、第9代征夷大将軍・足利義尚(あしかがよしひさ)である。 



文明3年(1471年)、春先のある夜の室町御所…



夜、聡明丸(そうめいまる、後の細川政元〔ほそかわまさもと〕の幼名)は寝所で眠っておった。


そこへ…


「聡明丸…」

聡明丸「…ん…」

「聡明丸、起きろ!」

聡明丸「!誰⁈」


聡明丸が起き上がると目の前にいたのは、

聡明丸「…春王(はるおう)様!」




コアラ春王くん、足利義尚さんの幼名だね



聡明丸を起こしたのは幼い我であった。

聡明丸「いかがなされました?こんな夜更に?」

春王「夜なら御所から外へ出られる。御所の中での遊びは飽きた。外の世界を見に行こうぞ!ついて参れ!」

聡明丸「外の世界、私も生まれてから見たことはありませぬ。されど…」

春王「大事ない。さぁ、行くぞ!」



我は無理矢理に聡明丸を連れて室町御所から抜け出したのだ。

抜け道はあらかじめ調べておき、警護の者の目をうまくごまかせた。




この時期、戦乱は京から地方へ移っており、京は政争の場になっておった。



御所からすぐ側に焼けた荒れ寺があった。




春王「これは…ひどい焼けようだな」

聡明丸「ここは相国寺(しょうこくじ)ですね。応仁元年(1467年)の戦いで焼失したと聞いております。」

現在の相国寺


コアラ相国寺での戦を機に京での戦闘は少なくなり、周りの地域で多くなったんだ


春王「相国寺は我が曾祖父、3代将軍・足利義満(あしかがよしみつ)公が建てた立派な寺を聞いておったが…今や荒れ果てておる…」



我も聡明丸も荒れ果てた相国寺を見て言葉が出なかった。




そこへ、

「おい!」

2人は声が聞こえた方へ振り向くと、強面の男がおった。


「なんだ〜こんな夜更に小童がうろついておるとは。」


聡明丸は小声で、

聡明丸「春王様、こやつは野盗というものではござりませぬか?」

春王「これが野盗か、我が成敗してくれるわ。」

聡明丸「なりませぬ、相手は1人ではござりませぬ。逃げましょう。」




野盗「何をごちゃごちゃ言ってんだ?おまえら、小童のくせに、いい着物を着ておるな。脱いでいけ!」




そこで聡明丸は小石を投げた。

バシッ!

野盗「痛っ!」

聡明丸「今だ!」

春王「走るぞ!」



我と聡明丸は夢中で走りました。







ようやく逃げ切り、

聡明丸「はぁ、はぁ、春王様、大丈夫ですか?」

春王「はぁ、大事ない。ハハッ面白いの。外の世界は。」

聡明丸「…ところで、ここは…」



夢中で走ってたので、どこだかわからない場所に着いてしまったが、そこは山名宗全(やまなそうぜん)率いる西軍の陣地だったのだ…。






つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜





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