白の執権 〜第144話 不幸が襲う〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

前回まではこちら⬇️




諸行無常の世の中…

我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。



泰時「時氏(ときうじ)〜


1230年7月29日、泰時の嫡男・北条時氏は病で亡くなりました。

北条時氏です。28歳で死ぬとは…無念


泰時や生母である優子(ゆうこ)や時氏の妻・景子(けいこ)には悲痛な思いだったことでしょう。



優子「…我が子に先立たれるとは…ううぅ…」

景子「母上…」



コアラ時氏さんと景子さんとの間には子が何人かいたよね



泰時は自分自身を攻めていました。

「時氏を病にしたのは自分のせいだ」と…




関東では時氏の死を悼み、出家するものが数十人出たそうです。


時氏の亡くなった日は奇しくも次男・時実(ときざね)が亡くなった日と同じだったのです。

コアラ時実さんは前年に家臣に殺害されたんだよね




泰時にかかる不幸はこれだけではありませんでした。



時氏の死から1ヶ月後、三浦泰村(みうらやすむら)に嫁いでいた泰時の娘が出産をするも、生まれた子は10日ほどで亡くなり、さらに娘も産後の肥立ちが悪く…25歳で亡くなったのです。



泰時になぜ不幸が立て続けに襲うのか…





泰時は自邸に引きこもり落ち込んでいました。



泰時が引きこもっている部屋に母である(ひかり)が入ってきました。


光「泰時殿…」

泰時「……母上か…1人にしてくださらぬか…」




光は泰時の手を握り、

光「子を失ったのは辛いです…ですが、いつまでも落ち込んでも時氏ら子は帰ってきません。」

泰時「わかっています。されど…わしのせいで…皆を死なせてしまった…」

光「……今は落ち込むよりも、しっかりした幕府を作るのがあなたの役目ではありませぬか!?」


光は大きな声を上げて泰時を見ました。


光「しっかりした幕府を作ることこそが亡くなった者たちの供養になるのではありませぬか!」

泰時「母上…」



その時、



バタンッ!

光がその場に倒れたのです。


泰時「母上!母上!誰か!医師を呼べ!」

光「……大事ない、泰時殿。」

泰時「(ふう)!風はおるか!?」

コアラ風は泰時さんに新たに仕えた忍びで光さんが連れてきたんだよね



風が現れて、泰時とともに床へ光を運びました。



やがて医師が来て光は落ち着き、眠りました。


泰時「風、母上は病では?」

風「…はい、以前より重い病にかかっておりまする。」

泰時「それをなぜ言わぬ!?」

風「……光様から泰時様には言わぬようにと…光様は落ち込んでいる泰時様にご心配をかけたくなかったのです。」

泰時「だから、あのようにわしに励ます言葉を…」




その夜、光は目を覚まし泰時に最後の言葉を伝えたのです…。






つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜







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