諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
泰時の館に馬に乗った優子(ゆうこ)が入ってきました。
優子「時氏(ときうじ)は!?時氏はいずこか?」
優子は慌てて焦った様子でした。
そこへ北条家の家令・尾藤景綱(びとうかげつな)が来て、
景綱「優子様、こちらでございます!」
優子が通された居間では時氏が床についていました。
時氏は泰時の命で京より鎌倉へ帰る途中、病で倒れたのです。
優子「景綱、時氏の病はいかがなのじゃ?」
景綱「医師が言うには…心の蔵の病かと…」
優子「なんと…」
そこへ泰時と時氏の妻・景子(けいこ)が入ってきました。
泰時「優子…来たか…」
景子「母上様…申し訳ございませぬ。時氏様を支えてなければならぬのに…このようなことに…」
優子「…景子殿、そなたのせいではありませぬ…」
泰時「景子、そなたの働きは充分だ。景子はお腹の子を大事にせねばならぬ。」
この時、景子は新たに子を宿していたのです。
泰時は様々な医師を呼び、治療をさせたり、寺社に祈祷をさせたりしました。
泰時は忍びの風(ふう)の言葉を思い出していました。
『時氏様は…寝る間も惜しんで働いていた…身体を壊さねばよいのですが…』
しかし、時氏を病は回復の兆しすら見えなかったのです。
1230年8月…
時氏が目を開けました。
泰時「時氏!」
時氏「……父上…申し訳ございませぬ。」
泰時は時氏の手を両手で握りしめました。
泰時「謝るのはわしの方だ。そなたに重荷を背負わせすぎた…」
時氏「…私は執権・北条泰時の嫡男。そんな重荷は当たり前でございます。」
泰時の目からは涙が溢れてきました。
時氏「父上…景子を、子らを頼みます…」
時氏は目を閉じました。
泰時「時氏!!!」
泰時の嫡男・時氏は逝ってしまったのです。享年28…。
つづく…
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