白の執権 〜第143話 悲運の時氏〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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諸行無常の世の中…

我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。




泰時の館に馬に乗った優子(ゆうこ)が入ってきました。


コアラ優子さんは泰時の前の奥さんだよね


優子「時氏(ときうじ)は!?時氏はいずこか?」


優子は慌てて焦った様子でした。


そこへ北条家の家令・尾藤景綱(びとうかげつな)が来て、

景綱「優子様、こちらでございます!」




優子が通された居間では時氏が床についていました。



時氏は泰時の命で京より鎌倉へ帰る途中、病で倒れたのです。


優子「景綱、時氏の病はいかがなのじゃ?」

景綱「医師が言うには…心の蔵の病かと…」

優子「なんと…」



そこへ泰時と時氏の妻・景子(けいこ)が入ってきました。

泰時「優子…来たか…」

景子「母上様…申し訳ございませぬ。時氏様を支えてなければならぬのに…このようなことに…」

優子「…景子殿、そなたのせいではありませぬ…」

泰時「景子、そなたの働きは充分だ。景子はお腹の子を大事にせねばならぬ。」




この時、景子は新たに子を宿していたのです。



泰時は様々な医師を呼び、治療をさせたり、寺社に祈祷をさせたりしました。

泰時は忍びの(ふう)の言葉を思い出していました。

『時氏様は…寝る間も惜しんで働いていた…身体を壊さねばよいのですが…』




しかし、時氏を病は回復の兆しすら見えなかったのです。



1230年8月…


時氏が目を開けました。

泰時「時氏!」

時氏「……父上…申し訳ございませぬ。」


泰時は時氏の手を両手で握りしめました。



泰時「謝るのはわしの方だ。そなたに重荷を背負わせすぎた…」

時氏「…私は執権・北条泰時の嫡男。そんな重荷は当たり前でございます。」


泰時の目からは涙が溢れてきました。

時氏「父上…景子を、子らを頼みます…」



時氏は目を閉じました。

泰時「時氏!!!」



泰時の嫡男・時氏は逝ってしまったのです。享年28…。








つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜







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