白の執権 〜第131話 別れても信頼する2人〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

前回まではこちら⬇️






諸行無常の世の中…

我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。




1224年7月、鎌倉…


泰時は父・義時(よしとき)の墓に訪れていました。

義時の墓、法華堂跡

コアラこの⬆️広地に義時さんの法華堂があったらしいんだよ




泰時は『伊賀氏の変(いがしのへん)の後、政子(まさこ)様から依頼をされていた執権就任を正式に受けました。


さらに北条氏の家督も継いだのです。



泰時は義時の墓に手を合わせ、語りかけていました。

泰時「父上…私が父上の後を継ぐことになりました。されど、私に武士の世を守れるのか……」




「泰時、しっかりせんか!」

泰時「!!」


泰時の背後から声をかけるものがいました。

泰時はその姿を見ると、


泰時「そなたは…優子(ゆうこ)ではないか!」



コアラ優子さんは泰時さんの前妻なんだよね。別れても2人は信頼し合ってるんだね。


優子「泰時殿しか鎌倉を、武士の世を守れる人はいません。政子様もそう思って後継ぎに指名したのですよ。」

泰時「うむ〜、人の上に立つものは非情にならねばならぬ。黒さを持たねばならぬ。わしにそんな事ができようか?」

優子「泰時殿には人を思いやる心があります。白い心があります。乱が治った今の世こそ、泰時殿の力が必要だと私は思います。」

泰時「……ふっふ」

泰時は小さく笑いました。


泰時「別れても、やはりそなたはわしの妻だな。わしを上手く乗せおって。」

優子「お見通しですね。泰時殿のやり方でやればいいのですよ。」

泰時「うむ、何やらやる気が出てきよったわ。」





泰時は執権となり、京の六波羅探題(ろくはらたんだい)北方の職が空位となりましたが、政子様が新たなものを選んだのです。


それが泰時と優子の子、時氏(ときうじ)です。


北条時氏




時氏が京へ出発の時…泰時の館の門では父と子の別れの時でした。


時氏「父上、京は私がしっかり治めてまいります。」

泰時「京には南方の時房(ときふさ)殿がおる。時房殿に習い、西国を治めてまいれ。」




この2人の姿を優子は離れたところで、そっと見守っていたのです。






数日後、泰時の元へ家臣の長崎次郎(ながさきじろう)が帰ってきました。

次郎は泰時の命で『伊賀氏の変』の首謀者の1人、伊賀光宗(いがみつむね)の流罪先の信濃に行っていたのです。

コアラ『伊賀氏の変』の首謀者は他に伊賀の方(いがのかた)もいるね。伊賀の方は義時さんの継室なんだよ。



泰時「次郎、何かわかったのか?」

次郎「光宗は濡れ衣だと言っております。密談が行われていた時、光宗は鷹狩りに出かけて不在だったのです。」

泰時「何!?伊賀氏は関係なかったのか?」



光宗は『伊賀氏の変』には関わっていなかった⁈泰時は真相を追求するのです…







つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜




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