白の執権 〜第130話 伊賀氏の変〜 | 歴史を感じよう

歴史を感じよう

日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

前回まではこちら⬇️




諸行無常の世の中…

我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。



1224年6月、鎌倉…


伊賀光宗(いがみつむね)の館を鎧を着た武士たちが囲みました。



1人の武士が叫びます。

「伊賀光宗!尼御前様の命だ!!」
「御所へ連れて行く!」


コアラ尼御前様って政子(まさこ)さんのことだよ


光宗「なっ、何だ!?わしは何もしておらぬ!」

「問答無用!!」


光宗は捕らえられ御所へ連れて行かれました。



また同時間に伊賀の方(いがのかた)と一条実雅(いちじょうさねまさ)も捕らえられたのです。






数日後、御所では政子(まさこ)様と大江広元(おおえのひろもと)、そして泰時が話し合っていました。


大江広元


政子「広元殿、捕らえたものの取り調べはどうでしたか?」

広元「伊賀の方はほぼ認めております。光宗と実雅は乗せられただけのようです。」

泰時「やつらの目的は…後鳥羽法皇(ごとばほうおう)の帰京ですか?」

広元「いや、3人はそこまでの考えはないです。伊賀の方は自らの子・政村(まさむら)を執権の座に付けたいのが目的、光宗は伊賀氏を北条に成り代わるのが目的、実雅は2人に担ぎ上げられ将軍の座につくのが目的。」

泰時「首謀者は…尊長(そんちょう)?」

コアラ尊長さんは僧侶で一条実雅さんの異母兄弟なんだよ。

広元「そうです。全ての企みの言い出しは尊長です。しかし、やつは行方がわかりませぬ。」

泰時「尊長が3人を言いくるめた張本人か…」

政子「伊賀の方、光宗、実雅は流罪にします。鎌倉を乱そうとした罪、これは重く見なければなりませぬ。」

広元「まぁ、当然ですな。政村は?」

泰時「叔母上、政村はただ担ぎ上げられそうになっただけ。母は違えど我が弟、流罪はお許しください。」

政子「元より、そのつもりです。たが…泰時、母を流された思いは政村の中に残るでしょう。注意が必要ですよ。」

泰時「わたしが責任をもって政村を導いていきます。」




政子様の命が下り、伊賀の方は伊豆へ、光宗は信濃へ、実雅は越前へ、それぞれ配流となりました。



此度の騒動を「伊賀氏の変(いがしのへん)と呼ばれました。




泰時は腑に落ちないものがあり、家臣・長崎次郎(ながさきじろう)を密かに捕らえられている光宗の元へ遣わし調べたのです。






その頃、東海道に沿う山中を西に逃げるものがいました。

「くそっ!伊賀の連中は役に立たん!いつか必ず泰時を倒してやる!」




ボサボサな袈裟姿、それは尊長でした…。






つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜





にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ
にほんブログ村
コアラ宜しければバナーをクリックしてね