白の執権 〜第129話 陰謀を企むもの〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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諸行無常の世の中…

我は北条泰時(ほうじょう)が妹、竹子(たけこ)です。




政子(まさこ)様の忍びの(てる)は闇で密談を密かに聞いていました。

「我が子を執権につけて…」
「私が将軍に…」
三浦(みうら)を後ろ盾に…」


輝がそっと声の方を除くと…


輝『あれは…』

輝が見たのは男2人と女1人、そして僧らしき人物でした。

コアラ輝さんは政子さんの命令でいろいろと探っているんだよ





翌日、泰時は政子様がいる御所に行きましたが、政子様は不在でした。


その時、泰時は後ろから声をかけられました。

「泰時殿!」


泰時が振り向くと、そこには泰時の前妻の優子(ゆうこ)がいたのです。


コアラ優子ちゃんは三浦義村(みうらよしむら)さんの娘で泰時さんの前の奥さん。今は三浦氏の庶流の佐原盛連(さわらもりつら)の奥さんなんだよ。



泰時「優子、久しぶりだな」

優子「政子様は御所にいなかったでしょ。」

泰時「ん?行き先を知っているのか?」

優子「政子様は三浦の館にいらっしゃるわ。私は泰時殿を迎えに来たのよ。」

泰時「三浦…義村殿のところに…何用か…?」


泰時は優子に引っ張られ、三浦の館に行きました。




そこには政子様と義村が話をしているところでした。

義村「泰時殿、来たな」

泰時「叔母上、義村殿、いかがされましたか?」

政子「私は義村殿の真意を確かめに来たのです。」

泰時「真意?なぜ確かめるのですか?」

政子「義村殿は泰時を支えてくるのか…それを直に聞きたかったのです。」


義村は笑いながら、

義村「わしは元より泰時殿の味方だと何度申しておるのに〜」

泰時「…叔母上、何が起きたのですか?」

政子「鎌倉に陰謀をしているものがいるのです。そなたや三寅(みとら)殿を外し、三浦殿を後ろ盾とし、幕府の乗っ取りを企んでいるのです。」

三寅(後の藤原頼経)

泰時「なんと…まさか、その者らが父・義時(よしとき)を殺したもの?」

政子「そこまではわかりませぬ…されど疑いはあります。」

泰時「その者らは誰ですか?」

政子「もう捕らえられているでしょう…その者は…伊賀の方(いがのかた)と伊賀光宗(いがみつむね)、そして僧の尊長(そんちょう)!」

泰時「伊賀の方!?父上の奥方…」


コアラ伊賀の方は義時さんの継室、伊賀光宗さんは鎌倉の御家人で伊賀の方の兄なんだよ。


義村「やつらがわしを後ろ盾に利用しようとは、まったくふざけたやつらだ!」

泰時「尊長……まさか後鳥羽法皇(ごとばほうおう)に仕えていた僧侶では?」

政子「そのようです。先の乱で行方知れずになっていたのです。」





泰時は今だに承久の乱(じょうきゅうのらん)の影響が残っていることに憤りを感じたのです…。






つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜



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