白の執権 〜第109話 後鳥羽院の策略〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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諸行無常の世の中…

我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。




1219年2月に将軍・源実朝(みなもとのさねとも)様が暗殺されたことは京の朝廷も知るところになりました。



京の御所では後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)様が西面武士(せいめんのぶし)の藤原秀康(ふじわらのひでやす)と密かに会っていました。

後鳥羽上皇

後鳥羽「実朝が死んだか…しかし、義時は生きておるし、北条と三浦(みうら)は戦をしておらぬぞ。」

秀康「義時は拝賀式の直前に太刀持ち役を変わって難を逃れたようです。」

後鳥羽「悪運の強いやつよ。」

秀康「北条と三浦は争いかけたようですが…北条泰時が丸くまとめたようです。」

後鳥羽「くっ!やはり奴か…泰時には間者をつけてはおらぬのか?」

秀康「我が弟がついていましたが…事件の後、弟の行方がわかりませぬ。他の間者に探させましたが消息がわからないのです。」

後鳥羽「行方不明…そなたの弟は秀光(ひでみつ)であったな?」

秀康「はい…鎌倉では伊原光吉(いわらみつよし)と名乗っていましたが…」


コアラそう、光吉は藤原秀康の弟だったんだね。



後鳥羽「まぁ、実朝を殺っただけでもよい。鎌倉は将軍がいなくなって我に頼ってくるはず…」

秀康「ここが狙い目…でございますね。」





幕府は伊賀光季(いがみつすえ)を京に送り、京に居た我が夫・大江親広(おおえのちかひろ)と共に京都守護につけました。


コアラ親広さんのお父さんは幕府の重臣・大江広元(おおえのひろもと)さんだね。また光季さんの妹…この物語では光子(こうこ)って言うんだけど、義時さんの継室なんだよ。

親広の父、大江広元




幕府は実朝様亡き後の将軍の地位に後鳥羽上皇様の皇子を求めていました。



以前、政子(まさこ)様と後鳥羽上皇様の乳母・藤原兼子(ふじわらのけんし)様との間で実朝様の後継者に後鳥羽上皇様の皇子を送る約束がありました。

コアラ兼子さんは自らが養育した頼仁親王(よりひとしんのう)さんを推していたんだよね。



しかし…


後鳥羽「我が皇子は鎌倉に送らぬ!実朝が死んだ今、送ってしまったら日の本は2つに割れてしまうわ!」

兼子「されど、以前交わした約束ですぞ。」

後鳥羽「…ならば条件がある。」


後鳥羽上皇様は皇子を送るかわりに自らの愛妾・亀菊(かめぎく)の持つ所領の地頭を撤廃することを幕府に要求したのです。




コアラ亀菊さんって元は遊女で白拍子もやっていたんだ。






後鳥羽上皇様の要求は使いの者より鎌倉に伝えられました。


これを聞いた政子様や義時は怒り心頭でした。

政子「皇子を送るかわりに地頭を撤廃するなど、言語道断!幕府の根底を覆すことなどできるわけがありませぬ!」

義時「私事と政を一緒にするなど…ありえぬ!」


そこへ口を挟んできたのが大江広元(おおえのひろもと)でした。


広元「皇家が駄目なら…藤原摂関家がごさまいます…。」





広元の進言が政子様や義時の狙いとおりになっていくのです…。






つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜



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