白の執権 〜第108話 義時の本音〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

前回まではこちら⬇️



諸行無常の世の中…

我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。




北条義時(ほうじょうよしとき)は太刀持ち役を辞したわけを話し始めました。

義時「わしは確かに源実朝(みなもとのさねとも)様が狙われているのを知っていた。以前から忍びを公暁(くぎょう)に付けておいたからな。」

泰時「公暁殿が鎌倉殿(実朝様のこと)を殺そうと狙っていたと?」


実朝が暗殺された鶴岡八幡宮の石段



義時「うむ。公暁はわし…いや北条も恨んでいたから、わしも狙われていた。だから、わしは太刀持ち役を辞した。」

泰時「ならば鎌倉殿にも教えれば殺されることはなかったのに…」

義時「わしは…実朝様が殺されることを望んだのだ!」

泰時「なんと!見捨てたのですか⁈」


泰時は驚きました。
実朝様は征夷大将軍であり、鎌倉の頂点・鎌倉殿であり、武士の棟梁でありました。

それを義時は見捨てたのです。


義時「我ら武士はずっと政に参画できず、朝廷に虐げられていた。いっとき平清盛(たいらのきよもり)が政を行なったが…それは平家だけのものだった…」

平清盛


コアラ平清盛さんは太政大臣にまでなり政権を握ったけど地方の武士には満足いくものではなかったんだ。


義時「それを変えたのが源頼朝(みなもとのよりとも)様であった。平家を倒し、この東国で武士による政を始めた。我ら武士の喜びは大きかった。」

泰時「頼朝様は素晴らしい棟梁です。」

義時「しかし…頼朝様も娘を朝廷に入内させ朝廷と結ぼうとした。我らは朝廷と結ぶのではなく、我ら武士の政を望んでいたのだ!だから…頼朝様は…」

泰時「祖父・時政(ときまさ)に暗殺されたと…」

コアラ頼朝さんの死には謎が多く…暗殺は1つの説なんだ。



義時「実朝様も同じだ。和歌ばかり詠み、朝廷の官位ばかり求めて…これでは鎌倉は朝廷に飲み込まれてしまう…」

泰時「だから殺されるのを見捨てたと…鎌倉殿は朝廷を越えようとしていたのですぞ!」

義時「……わしは鎌倉殿の地位は傀儡でもよいと思っている。我らが政を行なえばよいのだから。」

泰時「そんな……」



泰時はそれ以上、言葉が出ませんでした。





結局、実朝様暗殺は公暁殿が行なったと後の世に伝えられました。

公暁殿でなく、伊原光吉(いはらみつよし)が実行犯なのに、光吉も何者かに殺されて事件の真相は闇となったのです。






実朝様暗殺の翌日、義時と泰時らは御所に行き、政子(まさこ)様に会いました。





政子「……鎌倉殿が暗殺されたことは…残念でなりませぬ。」

義時「まずは鎌倉殿を葬いを行いましょう。」


泰時は義時の態度に黒さと怖さを感じられずにはいられませんでした。



政子「実朝亡き後、政は私が代行いたします。義時、私の補佐をお願いいたします。」

義時「かしこまりました。姉上、新たな鎌倉殿は以前より話されていたとおり京よりお迎えで?」

政子「ええ、それは朝廷との約束がついていますから。」





一方、京では鎌倉が驚くべきことに動き出していたのです…。







つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜





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