白の執権 〜第106話 真の目的〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

前回まではこちら⬇️




諸行無常の世の中…

我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。




「公暁(くぎょう)!!」


三浦義村(みうらよしむら)の館の外で倒れたのは公暁でした。

コアラ公暁さんは源実朝(みなもとのさねとも)さんを襲った容疑がかけられていたんだよ



泰時と義村は公暁に寄り抱えました。公暁は背中が血だらけでした。

泰時「公暁殿!いったい何があった?誰にやられた?」

公暁「あぁ…影に…」

義村「影?それは誰だ?実朝(さねとも)様を殺したのはそなたか?」

公暁「私は…鎌倉殿(実朝様のこと)を殺すつもりだった…しかし鎌倉殿の優しさに触れ……その気はなくなった……」

泰時「鎌倉殿を襲った賊は公暁殿の名乗っていたが…?」

公暁「信じてほしい…鎌倉殿を殺したやつに…私もやられたのだ……そいつは…京……うっっ………」

泰時「公暁殿!公暁殿!!」





泰時は公暁の手を握り締めましたが、公暁は息絶えていました。


泰時「公暁殿は最後に''京"と言い残された。やはり犯人は…伊原光吉(いはらみつよし)!」

義村「光吉は西面武士の藤原秀康(ふじわらのひでやす)の弟…やはり朝廷の仕業か…?」



そこへ北条義時(ほうじょうよしとき)が兵を率い、現れました。

義時「おぉ、公暁は死んだのか?」

泰時「はい、誰かに斬られたようです。犯人は伊原光吉でしょう。」

義時「伊原光吉…光吉は義村殿の家臣だな。わしの調べによると公暁は鎌倉殿を恨んでいたそうだぞ。その公暁を操っていたのが光吉。三浦の仕業ではないのか?」

義村「何を言う⁈ 光吉は三浦から出奔していたのだぞ。」

義時と義村はにらみ合いしました。







泰時「…これがやつらの目的か!」


義時と義村は泰時をみました。


泰時「今、おふたりの言い争いを見て、わかりました。やつらの目的は北条と三浦を争わせ、鎌倉の力をそぎ落とすこと。」

光吉らは実朝様を害し、それを公暁がやったことにし、公暁の乳母の夫・三浦に容疑をかければ、北条と三浦が争う…そう計画したのです。




義村「それがやつらの目的…しかし公暁をも殺すとは…」

義時「公暁の口から事が漏れるのを恐れ、殺したのだろ…」

泰時「しかし公暁殿は最後の力を振り絞って犯人を伝えようとしてくれた。父上、義村殿、我らが争っている場合ではありませぬ!」


義時も義村も泰時の言葉に納得したのです。







その頃、鎌倉の外れでは光吉らがいました。

光吉「実朝を殺し、これで北条と三浦が争えば鎌倉は戦乱になる。我らの企てどおりだ。」


その時、

「鎌倉を戦乱に巻き込もうとするとは…」


光吉らの背後から声がしてきました。そして…




ズバッ!!


短刀で光吉の仲間が斬られました。


光吉「くっ!誰だ!?貴様!」

「我が弟を殺すとは!」




ザクッ!!


光吉「あぁっ、貴様は…」



光吉は心の臓をひと突きされ、絶命しました。


声の主は光吉が持っていた実朝様の首を抱え、その場を去りました…。







つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜




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