白の執権 〜第97話 もう1人の上皇〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

前回まではこちら⬇️




諸行無常の世の中…

我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。




泰時はもう1人の上皇様、土御門上皇(つちみかどじょうこう)様に呼ばれました。

コアラ土御門上皇さんは後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)さんの子なんだよ。


土御門上皇様は土御門殿(つちみかどどの)邸宅に居ました。


コアラ土御門殿はかつての権力を誇った関白・藤原道長(ふじわらのみちなが)さんの邸宅だったんだよ。




泰時のお供に私の夫・大江親広(おおえのちかひろ)が付いていました。



泰時「上皇様は私に何用なのだろうか…?」

親広「さて…土御門上皇様は穏和な人柄です。」

泰時「うむ…」

親広「しかし、朝廷の実権は後鳥羽上皇様が握っています。」





泰時は庭先で待たされました。


そこへ…



「よく来てくれた…」


土御門上皇



現れたのは土御門上皇様でした。


泰時は平伏しました。

泰時「これは…北条泰時にございます。」

土御門「うむ、朕が土御門だ。そなたのことは父から聞いておる。関東で手強いのは、そなただと。」

泰時「滅相もありませぬ。」

土御門「父や(順徳天皇(じゅんとくてんのう)は武芸を好み、周りに護衛の武士を付けておる。朕にはできぬことだ。」


順徳天皇



土御門上皇様は穏和な性格のため、後鳥羽上皇様が期待を寄せた激しい気性の弟に譲位をさせました。それが順徳天皇様でした。



土御門「朕は…争いは好まぬ。源頼朝(みなもとのよりとも)は武士をまとめた人徳者だと思う。」

泰時「我らは頼朝様のおかげで今があります。」

土御門「朕は関東とは争いたくない。父の心の内は…和を望んでいるはず。泰時、関東が暴発しないように抑えてくれ。」

泰時「関東が暴発することはありませぬ。私が心配なのは…御父上様の周りにいる西面武士(せいめんのぶし)のことです。」

土御門「西面武士か…父はあやつらを手足のように使っておる。困ったものだが…とにかく、朕は争わぬよう父をお諌めいたす。泰時、そちらも頼むぞ。」

泰時「ははっ!」



泰時と土御門上皇様…後に重要となる繋がりができたのです。

コアラ重要となる繋がり…まだまた先のことだけどね。






その夜、泰時は六波羅の庭先で月を見ていました。




泰時は2人の上皇様のことを考えていました。

『好戦的な後鳥羽上皇様と穏和な土御門上皇様…朝廷は2つに割れているのか…』




その時!

シュッ!!







矢が飛んできました。


泰時「くっ!!」



泰時は矢を避けました。

その矢には文が付いており、泰時はその文を開けると…


『帰れ』 


と書いてあったのです…。







つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜





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