白の執権 〜第67話 謎の影〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

前回まではこちら⬇️




諸行無常の世の中…

我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。




泰時は2人の家臣、尾藤弥助(びとうやすけ)、長崎次郎(ながさきじろう)と共に関東諸国廻りの旅を終え、鎌倉へ向かっていました。

コアラ3人は山伏の姿に身を変えて旅してたんだよ。




弥助「こうして歩いてみると関東は広うございますな。」

次郎「もう相模国には入っていると思います。」

泰時「あと少しで鎌倉であろう。」



泰時は足を止め…


泰時「フンっ!!」





振り向きざま、小太刀を投げました。



ザスッ!!


小太刀は後方の樹に刺さりました。



次郎「!!いかがなされました⁈ 」

すると、樹の影から何者かの姿が現れました。




弥助「何奴!?」



その者は素早く逃げていきました。



弥助と次郎が追おうとしましたが、


泰時「捨ておけ!」

弥助「されど…」

泰時「あの者、ずっと我らを付けて来ておった。」

次郎「殿はご存知だったのですか?」

泰時「うむ、以前にも伊豆にお祖父様(時政(ときまさ)のこと)を訪ねた時も付けて来ていたからな。」

弥助「我らを付けるとは一体何者でしょう…?」

泰時「どこかの御家人の忍びか、はたまた…」



泰時は父、義時(よしとき)が見張りを付けていたかも…と思いました。

泰時『父ならやりかねんからな…』


コアラ泰時さんは義時さんの腹黒い部分を見てきたら、そう思ったんだね。





泰時らはようやく鎌倉へ着きました。

泰時の館では私も泰時の妻、優子(ゆうこ)や長男の太郎(たろう)と共に出迎えておりました。


竹子「兄上、お帰りなさい。」

泰時「おぉ、竹子。来ておったか。」

優子「殿がいない間、竹子さんが遊びに来てくれたのよ。」

泰時「それは賑やかであったの〜」



泰時は太郎を抱き、

泰時「太郎、父は帰ってきたぞ〜。元気であったか?」

太郎「はい!父上!」


久々に訪れた家族の時間に泰時は癒されていました。




私は太郎と庭で遊び、泰時と優子は縁側でそれを見ていました。


優子「旅はいかがでしたか?」

泰時「諸国には様々な武士がわしには見えない苦労をしておった。政を預かる身なれば、これを知っておいてよかった。」

優子「…」



優子は思いつめた様子でした。

泰時「優子、いかがした?」

優子「殿…私を…離縁してください。」






つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜





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