諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
1200年春、桜の季節にわたし、竹子が生まれました。
父、義時(よしとき)にとって初めての娘で、とても喜んでいました。
母、姫の前(ひめのまえ)に抱かれたわたしを義時は柔らかい笑顔で見ていました。
義時「姫も良いの〜、こんなに愛しいものがあろうか〜」
姫の前「まぁ、殿ったら。」
義時「わしにも竹子を抱かせてくれ〜」
義時はわたしを抱きましたが、わたしは泣き出しました。
義時「おぉ、父はイヤかの〜…おっ、泰時!」
姫の前「泰時殿、姫でございます。抱いておくれ。」
姫の前は義時からわたしを受け取り、泰時に渡しました。
竹子「あぁ、あぅあぅ」
泰時「姫が笑っておりまする。」
わたしは泰時に抱かせて泣き止み、笑っていたそうです。
姫の前「あらっ、竹子は泰時殿がお気に入りなのね〜」
義時「泰時には竹子を守ってもらえねばならぬの〜、ハッハハハ」
そこへ入ってきた武士がいました。
姫の前の叔父、比企能員(ひきよしかず)でした。
姫の前「叔父上…来られるならお報せしてくれれば…」
能員「勝手に入って、すまぬの〜。我が姪が姫を見に来たのじゃ〜。おっ、かわいいの〜」
能員はわたしを泰時から奪い取りましたが、
竹子「…おぎゃー!」
能員「おっ、元気に泣いておるの〜」
姫の前「叔父上、わたしが抱きまする。」
能員「おぉ、そうだな」
義時はその様子を苦々しく見ていました。
この頃、比企能員の娘が源頼家(みなもとのよりいえ)様に嫁ぎ、男子を生んでおりました。
能員を始めとする比企一族は頼家様の外戚として権力を伸ばしていたのです。
義時『能員め…我が北条に変わり、鎌倉をほしいままにするつもりか…』
その頃の頼家様は蹴鞠に夢中になっていました。
頼家様は政を政子(まさこ)様や御家人たちに取られたと思っていました。
頼家様は梶原景時(かじわらかげとき)が討たれ、頼りは比企一族でした。
蹴鞠をしている頼家様の元に能員が戻ってきました。
頼家「能員、北条の様子はどうであった?」
能員「義時は姫が生まれ浮かれている様子でした。他は変わった様子はございませぬ。」
頼家「義時にも新たな子ができたか、わしと同じだな。」
頼家様には能員の娘との間に新たに男子が誕生していました。
この男子が後に鎌倉に混乱をもよおす公暁(くぎょう)です。
1202年、頼家様は征夷大将軍に任命され内外共に武士の棟梁の座に付きました…。
つづく…
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