諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
(泰時はこの時点で頼時(よりとき)と名乗っています。)
1198年暮れ、源頼朝(みなもとのよりとも)様が落馬したとの報せを聞き、頼時は馬を走らせました。
相模川の橋脚のレプリカ
頼時は頼朝様が倒れた場所に着くと現場は騒然としていました。
「馬は鎌倉殿の愛馬だぞ、なのに…」
「鎌倉殿は何やらフラついていた…」
「武士の棟梁たるものが落馬するとは…」
頼時はその場にいたものから話を聞きました。
頼朝様は既に近くの民家に運ばれていたのです。
頼時はそちらに行き、頼朝様に会いました。
頼朝様は眠っていました。既に医師がその場に来ていました。
頼時「鎌倉殿の容態はいかに?」
医師「落馬され、頭を打たれています。今は目を覚まされるのを待つのみにございます。」
頼時「鎌倉殿は落馬の前にフラついていたとか?」
医師「それはわかりませぬ。」
何もないのに、フラつくとは…頼時の脳裏には黒いものが浮かんでいました。
しばらくして政子(まさこ)様がやって来ました。
頼朝様を見た政子様は青白い顔になっていました。
頼時「叔母上…」
政子「頼時、殿は…何者かに命を狙われたのでしょう…」
頼時「それは……」
政子「京に目を向けていた殿を冷めた目で見ていた者らがいたのは確かです。」
頼時「されど、それは武士の世のため!」
政子「その者らには殿が貴族になるとしか見えなかったのでしょう。」
頼時「叔母上はその者らが誰かご存知なのですか?」
政子「しかとは判断できませぬ。しかし…」
その後、頼朝様は鎌倉の御所に運ばれました。
頼朝様を見舞おうと御家人たちが続々と御所を訪れましたが、政子様は見舞いを全て断っていました。
頼時は政子様と一緒に頼朝様の看病をしていました。
「この状態で誰か鎌倉殿にとどめを刺しにくるのでは…」
頼時はそんな心配もしていました。
頼時が頼朝様の看病している、その時…!
頼朝「うぅっ…」
頼時「殿!お気づきになられましたか⁉︎ 」
頼朝「…頼時か…」
頼時「そうです。頼時にございます。叔母上を呼ばなければ…」
頼朝「待て…そなたに伝えおくことがある…」
頼朝様は立ち上がろうとした頼時の手を握りました…。
つづく…
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