諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
1194年、金剛(こんごう、泰時の幼名)は御所にて元服式を迎えました。
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金剛はめでたい日なのに、何やら浮かぬ顔をしていました。
それは前年に父・北条義時(ほうじょうよしとき)と正室・姫の前(ひめのまえ)との間に男子が誕生したのです。
金剛にとっては異母弟になるのです。
幼名を次郎(じろう)、後の北条朝時(ほうじょうともとき)でした。
金剛は思い出していました。
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金剛は義時が生まれたばかりの次郎を抱き、姫の前と仲睦まじい様子を見て…
金剛は義時が生まれたばかりの次郎を抱き、姫の前と仲睦まじい様子を見て…
「わしにはあんな頃があったのだろうか…」
義時は金剛に、
義時「金剛、母は違えど、次郎はそなたの弟じゃ。」
金剛「はい。承知しております。」
義時「見よ、次郎の利発そうな顔を。ハッハハハ〜」
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今の金剛は元服より疎外感で頭がいっぱいだったのです。
そんな金剛を政子(まさこ)様は察して声をかけてきました。
政子「金剛、浮かぬ顔ですね。これから元服なのに…。」
金剛「政子様…。」
政子「昨年生まれた次郎のことを考えてますね?」
金剛「あっ、いえ…。」
政子「隠さなくていいのです。義時が次郎のことを可愛がっている姿を見て不安なのですね?」
金剛「…はい。わたしは疎まれているのでしょうか…?」
政子「何を言うのです。母は違えど義時にとっては金剛も次郎も大切な子なのです。そなたが生まれた時も義時は今以上に可愛がって喜んでいましたよ。」
金剛「父上が…わかりました。わたしの考え過ぎだったようです。」
政子「さすが金剛です。物分かりが良い。さあ、元服式ですよ。」
金剛は元服式が行われる居間に向かいました。
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金剛の元服式が始まりました。
烏帽子親は源頼朝(みなもとのよりとも)様でした。
頼朝「金剛、そなたに名を与える。頼時(よりとき)。我が一字を与えた名じゃ。」
金剛「頼時、鎌倉殿から一字を頂けるとは、ありがたき幸せにございます。」
ここに北条頼時(ほうじょうよりとき)が誕生したのです。
この頃から頼朝様の目は京に向いていたのです…。
つづく…
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