諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
我が父・北条義時(ほうじょうよしとき)と比企氏(ひきし)の娘・姫の前(ひめのまえ)の婚儀が行われて、姫の前の叔父・比企能員(ひきよしかず)も列席していました。
能員「さぁ、婿殿、一献…」
義時「これは…ありがとうございます。」
能員は義時に酌をしました。義時はそれを一気に飲み干しました。
能員「義時殿、姫の前は我が比企の大事な娘。大切にお願いしますぞ。」
義時「心得ております。」
能員「ありがたくも我が比企は鎌倉殿(頼朝様のこと)の乳母を務めさせて頂き、わしは頼家様の乳母父も務めておる。」
義時「承知しております。」
能員「義時殿にはどんな武功があるのじゃ?鎌倉殿は義時殿をお気に入りの様子じゃが…」
義時「大した武功はごさりませぬ。」
能員「それで姫の前を守れるのかの〜」
義時は腹立たしい気持ちもグッと堪えました。
姫の前「叔父上、その辺でおやめくださいませ。」
能員「致し方ないの。まぁ、義時殿、よろしく頼むぞ。」
義時「はっ…」
義時は拳を握り怒りを抑えていたのです。
義時「能員め…今に見ておれ…」
明けて1193年、頼朝様は富士の裾野で巻狩りを行なうことを決めました。
頼朝「戦がなくなったとはいえ、武士たるものはその腕を磨いておかねばならぬ。御家人は参加するのじゃ!」
そうそうたる御家人たちが参加し盛大に行われました。
富士の巻狩りには金剛(こんごう、泰時の幼名)の姿も頼朝様の近くにありました。
頼朝「金剛、皆の腕前をよく見ておるのじゃ。これは戦ではないが軍事訓練、見た定めることも大事じゃからの。」
金剛「見定めるのも将軍様の役目にございますね。」
頼朝「将軍だけで見定めるには数が多い。見定める家臣が必要なのじゃ。信用できる家臣がな。」
頼朝様は金剛を信用できる家臣にしようと思っていたのでしょう。
頼朝様の元へある報せが入りました。
頼朝「頼家が鹿を射止めたと!これはめでたい!」
頼朝様は喜び、頼家様の元へ行きました。
頼家「父上、やりました!」
頼朝「さすがは我が息子!これぞ将軍の後を継ぐものぞ!」
この時、頼家様は12歳になっていました。
頼朝様は頼家様が鹿を射止めたことが神に自らの後継者であると見なされたこと、それを御家人たちに認めさせる効果があると喜んだのです。
頼朝「鎌倉にいる政子(まさこ)にも伝えよ。」
頼朝様は鎌倉に使いを送りましたが政子様の反応は逆のものだったのです…。
つづく…
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