白の執権 〜第14話 帝、現わる〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

前回まではこちら⬇️




諸行無常の世の中…

我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。





1190年11月7日、源頼朝(みなもとのよりとも)様は京に入りました。


そして9日、頼朝様は内裏で後白河法皇(ごしらかわほうおう)様と会ったのです。

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現在の京都御所


法皇様と頼朝様は他の同席者なく2人だけで話をしたのです。

コアラこの時、天下を動かしてる2人が法皇さんと頼朝さんだね。


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後白河法皇



その頃、頼朝様に同行して初めて京に来た金剛(こんごう、泰時の幼名)は頼朝様の京での宿舎である六波羅(ろくはら)にいました。

コアラかつて六波羅の地には平清盛(たいらのきよもり)の館があったんだ。頼朝さんはその地に新たな館を建てたんだよ。


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六波羅跡の碑



金剛や父・北条義時(ほうじょうよしとき)が六波羅の庭にいると公家のいでたちをした男児が入ってきました。

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男児「これ!お前たちが東国から来た東夷(あずまえびす)か⁈ 」

コアラ東夷って京の人から見た東国の武士のことを言うんだ。無骨な東国武士だってあざけて言ってたみたい。




金剛「我は源頼朝様の御家人・北条義時が長男、金剛。いきなり入ってきて何者か?」

男児「東夷であろう。朕の宝剣を早く探し出すのじゃ!」

義時「宝剣⁈ 」


そこへ男児のお付きの侍女と思われる女が入ってきました。

侍女「そのようなものと口をきいてはなりませぬ。早く内裏に戻りましょう。」

義時「こちらは…?」

侍女「そなたらは知らぬでよい!さぁ、帝!こちらへ…」


男児は侍女に連れられ去って行きました。

金剛「父上、あれはまさか…当今の帝⁈」

義時「うむ。間違いないだろ。まだ元服されたばかりと聞いておる。血気盛んなお方だ。宝剣とは無くなられた三種の神器の一つのことだ。」


義時、金剛は後にこれが争うことになる後鳥羽天皇(ごとばてんのう)様との初めての対面だったのです。






頼朝様は法皇様との面談の後、後鳥羽天皇様にも拝謁したのです。


その後、頼朝様は京の公家・九条兼実(くじょうかねざね)ともお会いになりました。

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九条兼実


コアラ兼実さんは藤原摂関家の公家なんだよ。藤原摂関家って関白職に就くお家だね。



その後、頼朝様は六波羅の宿舎に戻ってきました。

義時「殿、法皇様とのご対面はいかがでしたか?」

頼朝「なかなかのしぶといお方であった。武力を持たぬ身で平清盛と渡り合ったお方だ。」

義時「倒すことはかないませぬか?」

頼朝「今日は初日、京にはしばらくいる。次の対面もある。」

義時「殿のお望みは?」

頼朝「…わしは将軍の称号を望む。」

義時「将軍の称号、その称号が付く職は…征夷大将軍(せいいたいしょうぐん)があります。」

頼朝「義時、知っておったか。そのとおりだ。将軍となって武士の世を治めたいのだ。」


コアラかつて蝦夷征討をした武官の人たちが就いたのが征夷大将軍なんだ。坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)が有名だね。

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坂上田村麻呂



義時は後鳥羽天皇様が六波羅に来たことを話しました。

頼朝「なんと、大胆なことをされるのう。」

義時「無くなられた宝剣を探すようにと…」

頼朝「わしが拝謁した時にも同じことを言われてたようだ。宝剣無しで即位されたことが気にされておるのであろう。」

義時「宝剣はかなり探しましたが見つかりませんでした。」

頼朝「今さら、もうよい。宝剣に関しては法皇は何も申してはおらぬ。」





しかし、義時や金剛には宝剣にこだわる後鳥羽天皇様のことが1つの気がかりとして心に残りました…。







つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜







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