諸行無常の世の中…
我は北条泰時(ほうじょうやすとき)が妹、竹子(たけこ)です。
1185年5月、鎌倉で我が父・北条義時(ほうじょうよしとき)は久しぶりに会った金剛(こんごう、泰時の幼名)をあやしていました。
義時「金剛、母者はどこへ行ってのかの…」
金剛「ははうぇっ」
義時「おぉ、金剛は居場所を知っておるのかの〜、ははっ…」
そこへ源頼朝(みなもとのよりとも)様の側近・大江広元(おおえのひろもと)が入ってきました。
広元「義時殿、おぉ金剛殿はいくつになられた?」
義時「2歳になります。ところで何か私にご用意でございますか?」
広元「お見通しですね。頼朝様よりの命で腰越(こしごえ)に行ってきます。義時殿も同行してほしいのです。」
義時「腰越?鎌倉の手前にありますがそんなところに何ようですか?」
広元「義経(よしつね)様が来ているのです。」
義時「義経様が…」
源義経は頼朝様の怒りを買い、東国に入ることを拒否されていました。
しかし義経は壇ノ浦の戦い(だんのうらのたたかい)で捕らえた平家(へいけ)の棟梁・平宗盛(たいらのむねもり)とその子、清宗(きよむね)を連れて鎌倉近くの腰越まで来ていたのです。
義経は頼朝様宛に書いた書状を広元に託して、なんとか頼朝様に会おうとしていたのです。
広元「頼朝様は義経様に会う気はござりません。」
義時「…なぜでござりますか?血を分けた兄弟なのに?」
広元「頼朝様は兄弟の情に流される方ではありません。今、頼朝様がされようとしていることは東国武士の願いなのです。」
義時「それは武士の世を作ること…。」
広元「はい。それだけに勝手に朝廷から官位をもらう義経様を許すことはできないのです。私は義経様に鎌倉入りが無理なことを伝えに行くのです。」
頼朝様の夢は東国武士にとっての長年の夢だったのです。
義時は広元と共に義経に会い、鎌倉ができないことを伝えました。
広元「平宗盛、清宗はこちらで預かります。義経様は鎌倉に入ることならず、この場から直ちにお帰りください。」
義経「なんと非情な…これが兄上のやることなのか⁈ 」
義時は非情であるが大義の成し遂げようとする頼朝様の姿を見たのです。
義経は京へ戻りました。
兄弟の争いはさらに激化していくのです…。
つづく…
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