八幡の武将 〜民のために〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

前回まではこちら⬇️




世は群雄割拠の戦国時代

わしは北条氏康(ほうじょううじやす)です。






武田信玄(たけだしんげん)の躑躅ヶ崎館(つつじがさきやかた)で相模の塩商人に化けた綱成(つなしげ)は信玄に平伏したまま、地面の土を握りしめていました。

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コアラ信玄さんの家臣からの報せを聞いた綱成さんは驚いたんだよ。



家臣「北条殿が上総国の三船山(みふねやま)で里見(さとみ)に敗北しました。」

信玄「何⁉︎ 北条の大将は氏康殿か?」

家臣「いえ、当主の氏政(うじまさ)殿です。氏政殿は敗走し命は無事のようです。氏康殿は小田原城(おだわらじょう)にいるようです。」



綱成は土を握りしめたまま怒りに震えていました。


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三船山(現在の千葉県君津市・富津市辺り)



里見軍に挟み討ちにされた北条軍は死傷者2,500人も出し大敗北したのです。

コアラこの戦いを三船山の戦い(みふねやまのたたかい)っていうんだよ。



信玄「そなた、震えておるが…大事ないか?」

綱成「あっ、北条の殿様が負けたと聞いて驚いてしまって…。」

信玄「氏康殿も子で苦労をしておるの。」

美咲「御館様も苦労してるのですか?」

綱成「これっ!無礼を申すな!」

信玄「はははっ、よいよい。わしも苦労をしておる。わしは嫡男を寺に閉じ込めたのだ。」


コアラ信玄さんの嫡男・義信(よしのぶ)さんは謀反の疑いで東光寺(とうこうじ)に幽閉されてんだよ。



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綱成「我が子を幽閉したと噂で聞いておりました。誠とは…何故でごさいますか?」

信玄「まぁ、いろいろあるが…我が子のために国や民を滅ぼすわけにはいかんのだ。」

綱成「民のために…。」

信玄「わしは父親を追放し、子を幽閉した。他国ではわしを非道だというものがいるが…されど民は守っておる。それでよい。」


綱成は民を思う信玄に感じ入っていました。


信玄「塩は海のない我が国には重要なもの。また頼むぞ。」

綱成「へぇ。」

信玄「そなた、次に来た時はわしに仕えてほしいものだな。ははははっ。」



綱成は躑躅ヶ崎館を後にし小田原に向かいました。


その姿を信玄は見送っていました。

信玄「あれが北条綱成か…」

家臣「はい。忍びの調べではそのようにございます。」

信玄「単独でわしに会いにくるとは…堂々としたものであった。敵にすれば手強い相手になるの。」


コアラ信玄さんと綱成さんは戦うことになるけど、それはまだ先の話なんだ。






綱成は小田原城に向かっている頃、三船山の戦いで敗走した氏政が戻っていたのです…。









つづく…
コアラ次回をお楽しみに〜









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