私は北条早雲(ほうじょうそううん)の子・幻庵(げんあん)です。
(早雲は伊勢早雲(いせそううん)と名乗っています。)
1516年、早雲は相模の三浦氏(みうらし)新井城で滅ぼし、ついに相模一国を平定しました。
これを聞いて意気消沈したのが三浦氏の主君・扇谷上杉朝良(おうぎがやつうえすぎともよし)殿でした。
朝良「道寸が早雲に討たれるとは…。相模はわしの治める国だったのに、早雲に取られてしまった。鼠と思っていたが…知らぬ間に虎になっていた。」
ところで新井城を落とした早雲に援軍の依頼が来たのです。
氏綱(うじつな)「父上、援軍の依頼とは、どこからですか?」
早雲「上総国の真里谷信清(まりやつのぶきよ)からだ。」
氏綱「真里谷がなぜ我らに援軍を依頼するのでしょう?」
早雲「我らが上杉や古河公方と対立していて、味方になってくれると思っているのだろう。」
氏綱「援軍を出すのですか?」
早雲「うむ。しかし、わしは行かぬ。ここは氏綱、お前に任せる。」
氏綱「私が⁈ 」
早雲「援軍に行くだけでなく、関東の国々をその目で見てくるのだ。他の武将の様子や戦い方…充分に見てこい。」
氏綱「わかりました!」
氏綱は兵を率い房総半島に渡りました。
一方、早雲は伊豆の韮山城(にらやまじょう)に帰りました。
そして正室の陽子(ようこ)様と久しぶりにゆっくりと過ごしたのです。
陽子「戦、戦の日々…やっと陽子の元に帰ってきてくれました。」
早雲「すまなかったな。もう戦に行くこともあるまい。」
陽子「それは嬉しいことですが…どうされたのですか?」
早雲「陽子、わしは家督を氏綱に譲ろうと思う。」
早雲は既に自らの寿命が残りわずかと感じていたようでした…。
つづく…


