私は北条早雲(ほうじょうそううん)の子・幻庵(げんあん)です。
(早雲は最初は伊勢新九郎盛時(いせしんくろうもりとき)と名乗っています。)
盛時は前将軍・足利義政(あしかがよしまさ)様に会いました。
義政「盛時、久しいの。いつ以来か?」
盛時「はい、応仁の乱の最中、義政様が将軍職を退いた直後です。」
義政「そうであったな。わしは今、庭を造っておる。この箱庭のような庭を造りたいのだ。盛時はこの箱庭をどう思う?」
盛時「私にはよくわかりませぬが…。」
義政「さて、駿河の今川の家督相続の件であったな。まずは幕府の意向どおりに調停してくれた。これが今川の龍王丸(たつおうまる)に家督相続を認める内書じゃ。」
義政様は御内書を盛時に渡しました。これで龍王丸家督相続は決定的で、その御内書を頂き盛時は安心したのです。
義政「盛時、わしから頼みがある。」
盛時「私に?いかがなことでしょう?」
義政「そなたの父・盛定(もりさだ)はわしに仕えてくれた。そなたも我が息子、将軍・義尚(よしひさ)に仕えてほしいのだ。」
義政「義尚は将軍とはいえ、まだ若い。まだまだ支えがいるのだ。」
盛時「義尚様には義政様の御正室、富子(とみこ)様が付いておられのでは?」
義政「いつまでも富子ばかりに甘えてはいかん。富子から離れ独り立ちさせるためにも、そなたの力が必要なのだ。」
この頃、義政様と富子様との夫婦仲は冷え切って義政様は富子様とは別居状態でした。
将軍・義尚様が幼少、義政様も政に興味を持たず、実質幕府を動かしていたのは富子様だったのです。
盛時「わかりました。義尚様にお仕え致します。」
義政「うむ。いずれ正式の通達があるまで待つのだ。」
そこへ義政様の家臣が入ってきました。
家臣「失礼致します。盛時殿、至急自邸にお戻り下さい。盛定殿が危篤状態との報せが入りました。」
盛時「父上が⁈ 」
義政「!!盛時、すぐ戻るのだ!」
盛時は小川御所を出て自邸に向かいました。
盛時が自邸に戻った時…父・盛定は既に亡くなっていました。
盛時「父上!!」
盛時は盛定を前に泣きました。
盛時をあらゆる面から支えてくれた父を失い盛時は大泣きしたのです…。
つづく…


