私、足利義満の娘・智子です。
兄・義教は管領・細川持之殿に誓詞を持った使者を延暦寺に送りました。
義教「これで奴らは来る…。」
義教は密かに何かを企んでいました。義教の言うとおり私は事の成り行きを見続けることにしました。
延暦寺側は持之殿の誓詞があることで安心し今輪院弁澄殿ら代表4人が京に上洛しました。
京に入った今輪院らは悲田院で待っておりました。
私は悲田院の庭に密かに忍び込みました。
今輪院らが居間で控えていましたが……
そこへ武装した兵が入ってきて、
「御所様の命だ!」
と今輪院ら4人を庭へ引きずり出し殺害したのです。
私「これが兄上のやり方…。」
私が唖然としているところへ間者の小百合がやってきて私をその場から連れ出してくれました。
小百合「智子様、ここは危険です。離れましょう。それより満済様がお探しです。」
私「満済殿が?」
私は満済殿の元へ行きました。
満済殿は老齢で身体も弱っているようでした。
満済「智子様、今輪院らは斬られましたか?」
私「はい、兄上の命を受けた兵に斬られました。このやり方では延暦寺側は治まるとは思えませぬ。」
満済「御所様は延暦寺側の反抗勢力を潰すおつもりです。残った反抗勢力が攻めてきたら守護大名らに討伐を命じるでしょう。」
私「果たしてそうなるのでしょうか…。」
私は一抹の不安を感じ小百合に延暦寺を見張るように命じました。
数日後、比叡山の方向から火が上がっているのが京から見えました。
私「あれは…まさか延暦寺が燃えているのでは?まさか兄上が火をかけた?」
しばらくして小百合が戻ってきました。
私「小百合!無事でしたか。よかった…。」
小百合「私のことより…延暦寺の根本中堂が燃えています。」
私「なぜ燃えているのです?」
小百合「今輪院様らが殺害されたことに怒った僧らが抗議と称して根本中堂に篭り、焼身自殺したのです。」
私「自らに火をつけるなんて…!」
義教のやり方は思わぬ方向へ進んでしまったのです…。
つづく…

