私、足利義満の娘・智子です。
1432年、兄・義教は富士遊覧のため、駿河国に入りました。
義教は軍勢を率い、その行列は5里(20㎞)になりました。
また、駿河国の守護大名・今川範政殿は富士山のよく見える場所に居館を建て義教を歓迎したのです。
私も間者の小百合を関東の見張りして残し駿河国に入りました。
義教「智子、関東の様子はいかがであった?」
私「持氏殿は荒れております。関東管領の上杉憲実殿がなんとか諌めておりますが…。」
義教「状況は相変わらず変わらぬか…。持氏は何か動いてくるかの?」
私「わかりませぬが、万一に備えて憲実殿も手を打っています。憲実殿には私の間者、小百合を付けております。」
義教「憲実を味方につけておけば持氏もやすやすとは動けまい。残りの手段は暗殺か…。」
私「はい、憲実殿も私もそれを心配しております。兄上もご注意くださいませ。」
義教「うむ。智子も気をつけるのだぞ。」
義教が私に気遣う言葉を掛けてくれたことに私は少々驚きと嬉しさを感じました。
義教は富士を見ながらの歌会や大宴会を行いました。
義教の宿泊は今川範政殿の居館でした。
居館の周りには義教や公家の方々を警護する兵で固められています。
大宴会が行われた夜…義教は宴を催していました。
私は宴の外で控えていましたが…!
私にははっきり見えました。義教を狙う矢を構える者がいることを…。
「刺客⁉︎ 」
私は太刀を投げようとした時!
ザクッ!
その刺客に太刀が刺さりました。私より誰かが刺客に太刀を投げたのです。
刺客「くっ!」
刺客は矢を放つことなく、その場から逃げました。
そして、それを追いかける影を私は見ました…
つづく…

