私、足利義満の娘・智子です。
兄・義持には後継ぎとなる男子は義量殿しかいませんでした。
義持は義量殿を寵愛し、遊覧や寺社への参詣、参籠にはほとんど同行させていました。
私は義持から相談を受けます。それはこの義量殿のことでした。
義持「なぁ、智子。上皇様も後継ぎでお悩みであるが、わしも同じなのだ。」
私「それは義量殿のことですね?」
義持「うむ。義量は幼い頃より病弱でな、それなのに酒を好むようになってしまったのだ。」
私「お酒好きは兄上に似たのでしょう(笑)。」
義持「ふっ(笑)、そうだな。しかし病弱な上に大酒飲みになると身体に悪い。1度、義量に会うてはくれぬか?」
私「私に義量殿を諌めよと?」
義持「そうだ。近々、醍醐寺に行く。そこの僧として義量に話してもらいたい。義量は智子は死んだと思っているからな。」
義持も義量殿には手を焼いているようでした。
醍醐寺に訪れた義持は自身が言ったとおり、義量殿も一緒でした。
義持が義量殿が庭で1人になるよりに計らい、私がそこへ出ていきました。
私「これは若殿様…。」
義量「ほぅ、若い尼僧だな。…ここの僧か?」
私「本日は使いでこのお寺に来ておるものです。」
義量殿は少し呂律が回らぬ様子でした。
私「若殿様、お疲れのように見えますが…。」
義量「そうか?酒が飲み足りぬからかの。」
私「お酒ですか…お酒の飲み過ぎはお身体に障ります。」
義量「そんなことはない!酒は元気の源だ。」
そう言うと義量殿は寺の中に入ってしまいました。
「かなりの重症だ」と私は感じました。
そう思って庭で佇んでいる私は、
「これ!」と声をかけられました。
振り向くと、そこにいたのは満済殿でした…。
つづく…。
