私、足利義満の娘・智子です。
兄・義持は度々後小松上皇様の仙洞御所に参内していました。
私や間者の小百合も上皇様の御所までは忍び入ることは控えました。
義持は上皇様より称光天皇様のことで相談を受けていたようです。
称光天皇様は太刀や弓を好み、それをもて遊んだり鞭で近臣や女官を打ち据えたりして、その行状は上皇様や義持を悩ましていました。
上皇様が心配されていたのは天皇様に後継ぎとなる子がいないことでした。
天皇様は若いのですが、病弱で皇子誕生の望みは薄かったのです。
上皇様にはもう1人、子がいて小川宮様といいます。
義持「上皇様、小川宮様を後継ぎにしてはいかがでしょうか?」
上皇「うむ~、小川宮は帝以上にその行状が悪いのだ。正月には姫に暴行して騒ぎを起こしているのだ。」
義持「他には後継ぎとなる男子はいませんし…。」
上皇「……後継ぎにはならぬが、男子はもう1人おるのだ。室町殿には初めて言うことだ。」
義持「なんと!それは?」
上皇「今は出家しておる。大徳寺の僧、一休なのだ。」
私はそれを義持から聞いて驚きました。
「一休様が上皇様のご落胤とは…。今、一休様はどこにいるのだろうか…。」
義持にも子のことで悩みがありました。
それは義量殿のことです…。
つづく…


